おっきな青りんご。届いたかな。

今年もたくさんの馬に出会いました。
その中でも一際印象に残っている馬がいます。

テンジンナデシコ。なんという愛しい響きなんでしょう。
私は彼女に一度も会ったことがありません。
彼女は新潟の新馬戦が最初で最後のレースになりました。
訃報を聞きつけてから彼女を知りました。

たった１枚の写真でしか彼女を知りません。
でも私はその１枚の写真で心を奪われてしまいました。
まさしく恋に落ちたように。

愛らしいとしか言葉が浮かびませんでした。
もっともっと彼女を知りたいと思いました。
しかし何のすべもありません。
ネットで探してもほとんど情報がありません。
ようやくたっきーさんという方のブログでメンコをつけた
彼女を見つけたのが唯一でした。
http://t90678330.at.webry.info/201210/article_9.html

今日は彼女の四十九日です。
淀へ行く前にりんごを買いに行きました。

どのりんごにしようか迷いながら、大きな青りんごが目に止まりました。
美味しそうだな。一番おっきなやつにしよう。
傷をつけないように丁寧に選んでいました。

お店の方が「お見舞い？」と声をかけられてきました。
「いえ、お供えなんです。」
「お墓参り？」
「お馬さんのなんですけどね」少し照れながら答えると
「そう。私も馬大好きやねん。今日も競馬あるね。よっしゃ、選んだげるわ。」
その方は、まだ下にあった箱も開けて選んでくれました。
「これが一番大きいて綺麗やわ。これでどう？」
私はその心遣いがうれしくてうれしくて、一も二も無く購入しました。
丁寧にお礼を伝えて、下を向いて目を潤ませていました。
たぶん不思議に思われていたでしょうね。


一度も会ったこともなく、遠くへ逝ってしまった想い馬。
テンジンナデシコとのたった一つの大事なエピソードになりました。
いつまでも貴方を想い続けます。これからは笑顔で。


命は巡るもの。きっとまたどこかで会えるはず。







＊投稿内容と概ね同じです。リンクアドレス記載。