フェノーメノ　春の盾を制す

ゴールドシップの勝利を信じて疑わなかった大多数の観衆。
私の隣のお嬢さんがゴール直前、絶望の悲鳴をあげていた。

一瞬、時が止まった。

そして歓喜の嵐。

芦毛の怪物を、黒光りする怪物が打ち破った瞬間だった。

これまでの幾多の悔し涙を乗り越えて、
この瞬間のために切磋琢磨してきたその努力が
報われる瞬間を自らの手で掴み取ったのだ。

きっとこれからも数々の素晴らしい激闘を演じるであろう、
彼の栄誉をひたすら讃えたい。

フェノーメノ。青鹿毛の怪物。


そして芦毛の怪物は静かに雪辱を誓う。
次なる最強の敵へ向けて・・・