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2014/05/10 19:55
ケリーダノビアという牝馬
現地でずっと悲しい現実を見ていました。
彼女が昨年の5月5日に勝った日からずっと淀のレースは見ていました。
4月26日も彼女の応援馬券を買っていましたが見事に勝ってくれました。
今日は11Rを見て帰るつもりでしたが、彼女の出走を後から知ったので
パドックへ行き、そのまま12Rを観戦していました。
観客の減ったスタンドにどよめきが起きました。
ダートコースに立ち尽くす彼女はずっとスタンドの方を見ていました。
馬運車が到着し、何とか乗せようとしますが彼女は抵抗し続けました。
驚くべきことに後ろ足二本で立ち上がったのです。
私はすでに彼女の脚の状態を見ていたので、
彼女が自らの運命に必死で抗っているように見えました。
私はもう涙を止められませんでした。
何度も何度も抵抗する彼女。
馬運車が彼女の前側に停車しなおしますが、
彼女は頑として前に進みません。
何人もの係員が彼女の身体を後ろから押しましたが
再び彼女は前脚を持ち上げて立ち上がりました。
しばらくして彼女の周りを幕を持った係員が取り囲みました。
これから起こる悲劇に私は立ち尽くしました。
幕の下に彼女が崩れ落ちた姿を私は死ぬまで忘れない。
どんなに痛かったろう。
それでも彼女は立ち上がった。
どんなに悲しかったろう。
彼女の目には取り囲んだ人間がどう映っていたことか。
私はケリーダノビアという牝馬を決して忘れません。
競走馬として命の限り走り、必死で生きようとしていた彼女を。
余りのことに、いまはまだ祈る言葉すら浮かんできません。
私のカメラには愛らしい彼女の姿があるのです。
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