ボラーレ　大好きなボラーレ

もう泣くだけ泣きました。

まだ出合ったばかりのボラーレ。
そしてまだわずかに３歳のボラーレ。

普段はスダチに会う以外はまず仁川に出かけることの無い私が、
いそいそと出かけて行ったのがつい昨日のことのようです。
最初に出かけたときは仕事でレースの時間に間に合わず、たどり着いたのは
レース終了直後で、走り終えた彼が帰って行くお尻に会えただけでした。
二度目に出かけたときはその穏やかな瞳に、あっという間に心を奪われました。
「この馬をずっと見守り続けたい」と強く思った出会いでした。

凱旋門賞馬の父とダービー馬の母を持つ超良血馬。
でもたぶん私にはそれは余り大切なことでは無くなっていました。
目の前にいる、大きな大きな体をした優しい瞳を持った馬。
ボラーレというたくさんの方の願いを託され名づけられた馬。
それが私にとって全てでした。

北海道で病と闘いながらも頑張っている姿に胸を躍らせ、
元気にターフへ現れる日を今か今かと心待ちにしていました。

何の前触れもなく突然届いた悲報。悲嘆にくれるしかありませんでした。
ボラーレのお近くに居られる方から彼が旅立ったことを知らされたのでした。
喘鳴症だけでなく、なぜこのようなことが彼の身に起きてしまったのか、
どれだけの苦しみが彼を襲ったのかと思うと息ができなくなる思いでした。

信じがたい辛いことだったけれど、今はこう思っています。
ボラーレという馬に出会えて本当に良かった。会いに行って良かったと。
彼のすぐ近くで過ごしたあの幸せな時間を私は一生忘れません。

何もしてあげられなくてごめんね、ボラーレ。大好きなボラーレ。
これからも貴方のことを傍らにいるようにずっと想い続けます。

無垢な魂がせめて今は安らかなところにありますように。
http://horse.marketstation.jp/Volare/


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あまりにも厳しく悲しい現実が、ロマンや夢の中で競走馬が
生きているわけではないことをはっきりと告げているけれど、
それでも彼が与えてくれたものはまさしくそのロマンや夢でした。

皆が心を震わせたウオッカの最初の仔の誕生。
すくすくと育つ馬産地からの便りにときめいた日々。
そして初めて見た、母よりも大きな姿への驚き。
その夢を紡ぐ仔の名前を一生懸命に考えたあの日。

ボラーレはありったけのロマンと夢を、
たくさんの人に一杯くれました。

確かに競走馬としては未完のまま、その余りにも短い生涯を閉じることに
なってしまったけれど、やっぱり彼は競走馬としてひたむきに生きたと思います。
喉鳴りとも闘いながら、札幌の芝を目指して頑張る日々を過ごしていたのですから。

谷水オーナー、角居先生、厩務員の方々が日々、皆の夢を叶えよう、
ボラーレを立派な競走馬に育てようと尽力されていたことを思うと
突然その道を絶たれたお気持ちは察するに余りあります。

困難と闘い続けたボラーレをいつまでも忘れずにいてあげて欲しい。
彼の供養のためにも、ただただそう願うばかりです。

泣くだけ泣いたといっても、やはりこらえきれないものです。
もう一度あの優しい瞳に会いたいよ。ボラーレ。


２５日に追記