俺の心霊体験4

今日は野球か無いから心霊体験を書こうと思う。

今回の体験談は音に関する話だ。

前回の心霊体験で栃木の家を取り上げた。

今回はその家で俺が聞いた音の話をしよう。

栃木の家は平屋の2LDKで、収納にも居住空間にも使える屋根裏部屋みたいなモノがついていた。

屋根裏部屋に行くには先端にフックがついた棒で、天井のある部分を引っ掛け引き出すと階段が降りてくる仕組みだった。

この階段、引き出すと廊下から居間に入ってすぐの所にあるから、邪魔で足の小指をぶつけたり、階段がかなり重く引き出すのも仕舞うのも力のいる作業なので、我が家では物置部屋として利用しており、階段は利用する時以外は仕舞っていた。

その日どうゆう分けか俺一人が栃木の家にいた。

季節はまだ肌寒かったのを覚えている。

その日は他にする事もないしテレビも面白く無い。
外にご飯を食べに行き風呂に入り、寝床についたのが23時くらいだったと記憶している。

部屋の中は寒く無かったのだが何故か眠れない。
時間は１時くらいだろうか？
漸く微かながら眠くなってきた。
「眠れそう」
そう思った時、俺一人しか居ない筈の家で、それも屋根裏部屋を人の歩く音が聞こえてきた。
その音を聴いた時、俺は身体が一瞬で硬直してしまった。

俺しか居ないのに屋根裏部屋から足音？

外に出た時は施錠した筈。

階段はあまりにも重く上から引っ張りあげるなんて出来ない。
でも、確かに誰かが歩いている。
混乱した頭と動かない身体。

足音は階段があるであろう位置に向かっている。
いつの間にか身体が動く事に気づいた俺は、足音を忍ばせ居間に近づき、降りて来た瞬間を狙って膝間接に一撃を与えようと隠れていた。

いつになっても階段を降ろす気配が無い。

その内、暗闇で何かを待つのが怖くなってきた。
いったん家の外に出ようと後ろを向いた瞬間。
階段を降ろす音が聞こえた。

反射的に音の方を見た。

階段は降りていない。

そして足音が再びしだした。

この時に俺の脳裏をよぎったのが、「俺しか居ない家の、一人では持ち上げる事が出来ない、屋根裏部屋への階段。人が居るなんてあり得ない。」

言い様の無い恐怖が沸き上がってきた。

恥ずかしい話だが俺は家を飛び出し、ファミレスで朝になるのを待った。

明るくなり親戚を呼び恐る恐る家に入った。

家は何一つ荒らされても盗られても無く、普段の家のままだった。

俺は家に電話をして夜に起きた事を話そうとした。
俺が話を切り出す前に母ちゃんから、深夜１時くらいに俺の家で働いてくれてた職人さんが亡くなられた事を聞かされた。

足音が職人さんのモノだったかは俺には解らない。

後日その家を売り払うので掃除をしていたら、あの日に亡くなった職人さんの写真が見付かった。

自分一人しか居ない家での出来事。
本当に怖かった。