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2015/04/15 22:50
遠野にて (その2)
ここは「希望の郷 『絆』」というところです。
おしゃれなペンションに見えるかもしれませんが、実はここ「仮設住宅」なんです。
2011年7月に遠野市が東京大学などの協力をもとに造ったもので、ブレハブの長屋作りが一般的な他の仮設住宅とは違ってすべて岩手県産の木を使った木造住宅なんです。
内部はバリアフリー構造であり、一人暮らしのお年寄りのためにケアハウスなども備え付けられています。
被災者の方々、特に高齢者のケアに重点を置いた「暮らし重視」の仮設住宅ですが、ここに住んでいる方々の本当の望みは、ここに住み続けることではありません。
ここを出て新しい家に引っ越すことです。
他の仮設住宅よりも快適であるとはいえ、あくまでも仮設住宅、仮の住まいなのです。
一般的に、仮設住宅の耐用年数は2年ほどだといわれていますが、こちらは木造なので10年は大丈夫なのだそうです。
しかし、ここが建っている場所はもともと遠野市役所の職員駐車場だったところです。つまり市有地です。
いつかは市に返さなくてはならないのです。
東日本大震災から4年以上経った現在もたくさんの人たちが仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。
しかし、大多数の人たちは仮設住宅を追い出されたら他に行くところがないのです。
大部分の仮設住宅は耐用年数をとっくに過ぎており、いつ壊れてもおかしくありません。住環境は悪くなる一方です。
でも仮設住宅を建て替えることは不可能です。
仮設住宅はいつかは全て撤去しなくてはいけません。
それまでに仮設住宅に住む人たちを全て新しい住まいに移さなくてはなりませんが、それを実現させるのは非常に困難です。
こうしている間にも仮設住宅は朽ち果てていってるんです。
何とかしなくてはなりません(-_-;)