2908件のひとこと日記があります。
2015/05/17 21:16
サイレンススズカの話 (その5)
こんばんは(*・∀・*)ノ
「サイレンススズカの話」の第5話を書かせていただきます。
新馬戦を馬なりのままで圧勝し、大物登場を周囲に認識させたサイレンススズカ、陣営は彼をクラシックに乗せるべく、東上を決行します。
☆新馬戦を持ったままで2着に7馬身差をつける圧勝でデビュー勝ちを飾ったサイレンススズカの次走は、弥生賞と決まりました。
デビューが遅いサイレンススズカをクラシックに送りこむためには、重賞で2着以内に入って本賞金を加算する必要がありました。陣営の目標はあくまでもダービーでしたが、後々のローテーションのことを考えたら早い段階での賞金加算は不可欠であることに変わりはありません。
一気の相手強化に加えて初の長距離輸送、クリアしなければならない課題は少なくありませんでしたが、橋田師は「サイレンススズカならやってくれる」と愛馬の底知れぬポテンシャルに賭け、挑戦を決意しました。
1997年3月2日に行われた弥生賞、1勝馬の身の上で参戦したサイレンススズカですが、新馬戦での勝ちっぷりから「今年のサンデーサイレンス産駒の大将格はこの馬」という周囲の高評価もあって、2番人気に推されました。
1番人気は朝日杯3歳S3着のエアガッツ、
3番人気は武豊騎乗で京都3歳Sを勝ったランニングゲイル、他には名牝ロジータの仔オースミサンデー、ジュニアCを勝ったサニーブライアンが上位人気に名を連ねました。
大器サイレンススズカが実績馬相手にどう立ち向かうかが注目された一戦でしたが、このレースは大騒動の幕開けとなりました。
騒動の主はサイレンススズカでした。
スタート直前、8番ゲートに入っていたサイレンススズカは突然暴れだし、上村騎手を振り落とした後、なんとゲートの下をくぐって外に出てしまいました。
幸いすぐに取り押さえられたものの、馬体検査後に大外枠での発走となってしまいました。
定刻より若干遅れてスタートが切られましたが、今度はゲートから出ずに約2秒、10馬身ほどの大出遅れをしてしまいました。
振り落とされた上村騎手はそのまま騎乗しましたが、全身を襲う激痛のため、跨がっているのがやっとの状態でした。
彼が乗り替わりを拒否したのは「この馬は絶対に他人に渡したくない」という思いからでした。
騎手がそんな状態ですからサイレンススズカを御することなど無理な相談です。
サイレンススズカはただガムシャラに走っていました。
それでも第3コーナーでは馬群に取りつき、第4コーナーではマクり気味に進出して3番手まで押し上げました。
ここで勝つようなら本当の怪物ですが、流石のサイレンススズカも直線半ばで力つき、8着でゴール板を駆け抜けました。
大暴れした挙げ句の惨敗でしたが、観戦していた競馬ファン、関係者には「とんでもない才能と狂気をあわせ持った馬」という認識を抱かせました。
しかし、サイレンススズカは普段は大人しくて人懐っこい馬で、突然暴れだすような桿性のキツい馬ではありません。
ではなぜ、サイレンススズカは突然暴れだしたのでしょう?
これについて厩務員の加茂力さんはこう分析しています。
「あいつ、それまで側についていた俺がいなくなったんで、俺を探して外に出ちゃったんだよ」
橋田師もこの意見に賛同しています。
初の長距離輸送で馬運車の中に1頭だけ閉じこめられる経験をしたサイレンススズカは馬運車の中で淋しい思いをしていたのでしょう。
大器とはいえ、この頃のサイレンススズカはまだまだ子どもだったのでしょうね。
サイレンススズカは帰りの馬運車の中でも大暴れしていたそうです。
また一人ぼっちになるのが嫌だったのでしょうか、終始悲しそうな声で鳴いていたそうです。
今回はここまでとさせていただきますm(__)m
-
reibunさん>「いいね!」ありがとうございます(^_^)
-
reibunさんがいいね!と言っています。
-
稲☆vistaさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
スズカは人間が大好きだった馬でしたから、加茂さんを始めとする周囲の人たちから格別に愛されていたのでしょうね(^_^) -
稲☆vistaさん
お馬たちはみんな厩務員のことが大好きなんですよね
それが競馬をみてて一番素敵なことに思えます
スズカも本当に愛されてたんですね
(*´ー`*) -
稲☆vistaさんがいいね!と言っています。
-
ワイドボックスさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
2秒出遅れてるにも関わらず、第2コーナー過ぎには馬群に取りついてましたからね(・_・)
それから第3コーナー過ぎからマクっていくんですから、ある意味怪物ですよ(苦笑) -
ワイドボックスさん
2秒も出遅れて競馬に参加できたって凄いですよね。
ある意味オルフェの阪神大賞典より上かも。
一昨日も新潟の4Rだか5Rでゲートくぐっちゃった仔がいたのでスズカを思い出しました。 -
はちわれさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
ゲートなんてそう簡単にくぐれるもんじゃないんですが、スズカは体がすごく柔らかかったですからいとも簡単にくぐり抜けてしまいました。
上村騎手はあとで橋田師から大目玉を食らったと思いますよ。
ケガをした状態で乗るのはタブーですからね(__) -
はちわれさんがいいね!と言っています。
-
はちわれさん
こんにちは(^^)
あのゲートくぐり騒動にはそんな可愛らしい?背景があったんですね(^-^;
重賞の歓声に驚いたんだとずっと思っていましたが、とにかくあそこで怪我をしなくてよかったです。
レース中何事もなかったものの上村騎手の行為は危険でしたね(-"-;)
「未完の大器」とは4歳時(現3歳)のスズカの為のような言葉ですね。