８２回目のダービー

決戦の日がやってきた
８２回目の決戦の日がやってきた
今年も府中の杜に優駿たちが集い
８２頭目のダービー馬となるために死力を尽くす

トキノミノルという馬がいた
一迅の風のようにターフを駆け抜け
幻のように去っていった

キーストンという馬がいた
冬の仁川で傷つき命の火が消える間際まで
倒れた相棒を介抱していた

タケホープという馬がいた
国民的スターホースを打ち負かし
己もサラブレッドであることを証明した

クライムカイザーという馬がいた
勝負師の乾坤一擲のムチに応え
天馬を打ち負かした

カツラノハイセイコという馬がいた
並ばれても絶対に抜かせない根性で
父の無念を晴らした

ミスターシービーという馬がいた
セオリーなど関係なく
破天荒にターフを蹂躙した

シンボリルドルフという馬がいた
競馬に絶対はないが
この馬には絶対があった

ミホノブルボンという馬がいた
病に侵された名伯楽が残された命の全てをかけてこの馬を鍛え上げた

ナリタブライアンという馬がいた
無敵という言葉はこの馬のためにあった

トウカイテイオーという馬がいた
不屈という言葉はこの馬のためにあった

ディープインパクトという馬がいた
日本競馬はこの馬を先頭に世界の頂点に向かって進み始めた

ウオッカという馬がいた
６４年振りの牝馬によるダービー制覇は
史上最強の女帝へと駆け上がる第一歩であった

オルフェーヴルという馬がいた
荒ぶる魂で世界の頂点を掴みかけた

キズナという馬がいた
この馬を通じて人と人、馬と人とが力強く繋がった

今年のダービーはどんなドラマが展開されていくのだろう
８２回目のドラマが人々の心に強く刻み込まれる名場面になることを切に願う

８２回目の大活劇を楽しもう( ＾∀＾)