ライスシャワーの話(第９話)

こんばんは(*・∀・*)ノ

「ライスシャワーの話」の第９話を書かせていただきます。

☆1992年11月8日、第53回菊花賞が秋晴れの京都競馬場で行われました。
シンボリルドルフ以来8年ぶりに無敗の三冠馬が誕生するのか？10万人を越える大観衆の注目はミホノブルボンただ一頭だけに集まっていました。

1番人気 ミホノブルボン(小島貞) 1.5
2番人気 ライスシャワー(的場)7.3
3番人気 マチカネタンホイザ(岡部)11.7
4番人気 スーパーソブリン(横山典)18.4
5番人気 ヤマニンミラクル(河内)20.5

単勝人気はミホノブルボンの一本被り、オッズ10倍を切ったのはミホノブルボンとライスシャワーの2頭だけでした。

悲願達成に向けて栗東の坂路で鍛えに鍛えぬいてきたミホノブルボン
三冠許すまじ、と毎日のように美浦のダートで2頭併せの調教に明け暮れたライスシャワー

両馬ともハードトレーニングを積み重ねて本番に臨んでいました。

ライスシャワーの鞍上的場均騎手には本番の日を迎えるまでに、とある葛藤の中にいました。
彼にはどうしても出走してほしい馬がいました。
京都新聞杯9着のキョウエイボーガンです。
この馬はハナを切らなければまともにレースができない馬でした。
そして「ハナを切らなけれまともにレースができない」のはミホノブルボンも同様でした。
ミホノブルボンは「前に馬がいるとエキサイトする」馬だったのです。

ミホノブルボンとキョウエイボーガンが激しいハナ争いをするようであればミホノブルボンのペースは乱れ、ライスシャワーに付け入る隙ができますが、もしミホノブルボンが単騎逃げに持ち込めれば、持ち前の精密機械のような走りで終始主導権を渡さずに走りきる可能性が非常に高くなります。

どうしてもキョウエイボーガンに参戦して欲しかった的場騎手でしたが、管理する野村彰彦調教師は、キョウエイボーガンを回避させる意向を表明しました。
それを聞いた的場騎手は激しく落胆したそうです。
しかし、菊花賞の出走登録の期日が近づいてきた頃、野村師は翻意してキョウエイボーガンを参戦させるとマスコミに発表しました。
それを聞いた的場騎手は思わずガッツポーズをしていたそうです。

「これでライスシャワーが勝負できる環境が整った」

機は熟したのです。
ライスシャワーがミホノブルボンにリベンジする最後のチャンスがやってきたのです。


11月8日午後3時35分、歴史的瞬間を目撃せんとする十数万人の観客が見守るなか、第５３回菊花賞のスタートが切られました。

好スタートを切ったミホノブルボン、ハナに立とうとしたその瞬間にキョウエイボーガンがハナを叩いて先頭に立ちました。


※今回はここまでとさせていただきますm(__)m