ライスシャワーの話(第２４話)

こんばんは。

「ライスシャワーの話」の第２４話を書かせていただきます

JRAがバックアップしての種牡馬入りの話が出てきたライスシャワー、しかしそれを現実にするためには宝塚記念で好走する必要がありました
「阪神大震災復興祈念競走」と銘打たれたこの年の宝塚記念、舞台は京都外回り2200mです


☆1995年6月4日、第３６回宝塚記念が初夏の日差し眩しい京都競馬場で行われました。
この日の京都コースはパンパンの良馬場で、時計の出やすい状態でした。

1番人気 サクラチトセオー(小島太)4.4
2番人気 ダンツシアトル(村本)4.6
3番人気 ライスシャワー(的場)6.0
4番人気 ネーハイシーザー(塩村)6.9

ファン投票では１位に選出されたライスシャワーでしたが、1番人気に推されたのは安田記念2着で後に天皇賞秋を制することになるトニービン産駒、サクラチトセオーでした。
天皇賞春で復活の勝利を挙げたライスシャワーでしたが、中距離戦での戦績が良くないことが嫌われたのか、単勝人気はさほど伸びませんでした。

パドックを周回するライスシャワー、「本気になると目がつり上がる」馬であった彼でしたが、この日の彼の目は穏やかで澄みきっていました。
ただし状態は最悪、パドックで彼の背に跨がった的場均騎手は「おかしい...今日のライスシャワーはなにかが違う」と危惧するほどでした。

午後３時３０分、第３６回宝塚記念のスタートが切られました。

17番人気トーヨーリファールが引っ張る1000m59秒3の速い流れについていけないライスシャワーは後方13番手でレースを進めることとなりました。

ライスシャワーの行きっぷりは最悪で、的場騎手がいくら手綱を押してもライスシャワーは反応しませんでした。

「今日は勝ち負けどころじゃない。無事に回ってくることに専念しよう」

的場騎手は勝負を諦めていました。

しかし第３コーナーにさしかかると、ライスシャワーは突然スパートを切りました。
もちろん的場騎手の指示ではありません。
突然のスパートはライスシャワーの意志でした。

前走天皇賞春では第３コーナーからまくりをかけてそのまま押しきっています。
ライスシャワーは最悪の状態でありながら、第３コーナーで勝負をかけたのです。

前を走るライバルたちを蹴落とすべく加速していくライスシャワー、あと少しで先行集団を捉えるところまできたその時....

ライスシャワーは突然バランスを崩し、前のめりになりました。
的場騎手は馬から放り出され、体をターフに打ち付けられました。

ライスシャワーの左前脚はブラブラになっており、前脚を地面につけないライスシャワーはそのまま転倒してしまいました。

「ライスシャワーはどうしたんだ！？故障か？」

スタンドを埋め尽くした大観衆は騒然となりました。



※今回はここまでとさせていただきます。

なお、ライスシャワーの話は次回完結とさせていただきますm(__)m