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2016/07/24 20:32
ライスシャワーの話(完結編)
「ライスシャワーの話」の完結編を書かせていただきます
慣れ親しんだ淀の地で散ったライスシャワー、残された人間たちの悲しみはやがて怒りとなり、JRAや関係者はいわれのない非難を受けることとなりました
☆「ライスシャワーは高速馬場の犠牲者」
ライスシャワーの事故の後、ファンの間からこうした非難が巻き起こりました。
この頃JRAの各競馬場は速い時計が出るコース設定が常態化しており、競走馬の故障が頻発していました。
宝塚記念前日の京都開催では2頭の競走馬がレース中の故障で予後不良に追い込まれており、宝塚記念の勝ち馬ダンツシアトル、3着エアダブリン、16着ナリタタイシンが後に屈腱炎を発症、ダンツシアトルとナリタタイシンは引退を余儀なくされています。
しかし、高速馬場と競走馬の故障に因果関係があるかどうかは不明ですし、レース映像を見る限りライスシャワーは脚を滑らせたことで故障を発症したと見るのが妥当です。
私個人の意見ですが、ライスシャワーの死を高速馬場のせいにする人たちは心底そう思っているわけではないのだと思います。
馬場のせいにでもしないとやりきれないんですよ
あの事故は誰かのせいで起こったのではないんです
みんながそのことを承知しています
でもこのままでは死んでいったライスシャワーがあまりにも忍びない
だから誰かのせいにしたいんです
ライスシャワーの死はそれほど悲しく、辛いことだったのです。
ライスシャワーが生きた1989年から1995年、この時期は日本競馬が世界との差を埋めようと行動を起こした時期でした。
サンデーサイレンスをはじめとするアメリカのスピード馬が続々と日本で種牡馬入りし
時計勝負で外国馬に負けないよう、スピードを重視したコース設定が各競馬場で行われ
海外のレースでよく見られる「どスローのヨーイドン」に対応するために、瞬発力のある中距離馬が多数作られ
日本競馬は世界に追い付こうと、官民一体となって努力しました
しかし...
悲しいかなライスシャワーは日本競馬が世界に追い付くために必要とされる要素を持ち合わせていませんでした。
ライスシャワーは時代から拒まれました。
ミホノブルボンとメジロマックイーンの大記録達成を阻んだことで一部のファンからも疎まれました。
限界を越えても走り続けなければなりませんでした。
最後の最後でファンに受け入れられましたが、彼の人気が最高潮に達したのは彼がこの世を去ってからでした。
しかも「悲劇のヒーロー」として...
はっきり言いますが、彼が死んでからファンになった人は悲劇のドラマに酔いたくてファンになったのです。
悲劇を演じて感動させてくれるなら主人公は誰でもいいのです。
私はこういう人をファンと呼びたくはありません。
これほど理不尽な扱いを受けたGI馬はいないでしょう。
彼はただ一生懸命に走り続けていただけなのです。
彼は「ライスシャワー」と名付けられた黒鹿毛の競走馬であり、他の何者でもないのです。
ライスシャワーは悲劇の主人公でも悪役でもありません。
ライスシャワーなのです。
最後に宝塚記念の頃のライスシャワーについて、後年的場騎手が語ったこの言葉を紹介します。
「春天から宝塚までのライスシャワーはいい顔をしていたよ。澄んだ目をしていた。それだけははっきり覚えている」
ライスシャワーは2度目の天皇賞馬となったことで、自分の役割が終わったことを悟ったのでしょうか?
慣れ親しんだ淀の地で散らなければならないことを受け入れたのでしょうか?
この疑問に対する答えはありませんが、ひとつだけ確かなことがあります。
ライスシャワーは今日も京都競馬場の片隅でレースを、後に続く競走馬たちを、馬たちを支える人々を、そして日本競馬の行く末を見守っています。
青嶺の魂となって......
※「ライスシャワーの話」はこれでおしまいです。
6ヶ月間にわたって、このおはなしに付き合ってくださった皆様には、心より御礼を申し上げますm(__)m
最後の方は辛い思いもありましたが、なんとか書き上げることができて、今はホッとしております。
本当にありがとうございました(^_^)
-
とうけいにせいさん
ハープ星さん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
馬は何のために走るのか?
それは、生き残るためです
走ることで未来が開ける馬もいれば
走らなければ現状維持さえ難しい馬もいます
私たちはそのことを心の片隅に置いておきながら競馬を見続けなければならないと思うのです
最後までおつきあいしていただいて、どうもありがとうございました(^-^) -
ハープ星さん
競走馬は、己の未来のために駆け
そしていつも命懸けなんだと、改めて思い知らされました。
これからも、その瞬間に精一杯の声援を送りたいと思います。
ライスシャワーを知ることができたことに感謝します、ありがとうございました。 -
とうけいにせいさん
「お馬さん」さん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
最終話の写真はライスシャワーのものではなくて、こういう形で転倒したんだということを表示するために海外のレースでの写真を貼ったんですが、映像で見ると全く同じ形なんですよ(-_-;)
写真はユートピア牧場にあるライスシャワーのお墓です。
今でも花やお供え物が途切れずに墓前に添えられているそうですね....
こちらこそ最後までおつきあいしていただいて、ありがとうございました(^-^) -
お馬さんさん
ライスシャワーの話が無事に完結・・・お疲れ様でした。
そして、ありがとうございましたm(_ _)m
さすがに最終話のあの画は堪えますね。
それでもここまで拝見させていただいて良かったです。
ユートピア牧場のお墓・・・ですよね。
お母さんのライラックポイントもすぐそばに眠る場所。
この場所で親子の穏やかな時間を過ごせている事を願って止みません。 -
とうけいにせいさん
しろくまさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
馬には罪はないんですよ。
馬を擬人化してストーリーの主役に仕立てる人間たちに問題があるんです。
ライスシャワーという馬がいた。
私が書きたかったのはこれだけです。
こちらこそ最後までおつきあいしていただいて、ありがとうございました(^-^) -
とうけいにせいさん
デュースさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
ライスシャワーをリアルタイムで見ることはできなくても、ライスシャワーという馬がいたことだけは、たまにでいいですから思い出してみてくださいね(^-^)
こちらこそ最後までおつきあいしていただいて、ありがとうございました(^-^) -
とうけいにせいさん
関東帝王さん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
あなたのようにライスシャワーを知らない世代の方がライスシャワーという馬がいたことを知っておいてくださる、これだけでもこのおはなしを書いた甲斐があるというものです(^-^)
こちらこそ最後までおつきあいしていただいて、ありがとうございました(^-^) -
しろくまさん
どの馬も一生懸命走ってるだけで、疎まれる理由なんてないなのに。そうゆう競馬ファンにならないようにしたいです。
黒鹿毛の競走馬のライスシャワーのお話、ありがとうございました。 -
とうけいにせいさん
yokoさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
こちらこそ最後までおつきあいしていただいて、ありがとうございましたm(__)m -
デュースさん
ライスシャワーの話 お疲れ様です。
ユーチューブで映像もさっき観ました。
競馬ファン歴2年でライスシャワーのことがまったくわかりまんでしたがこの話で沢山のことを知ることが出来ました。
生意気だと思われるかもしれませんが競馬ファンとして心の片隅にしまっておきたいと思います。
ありがとうございました。