クルッと回ってトン！(後編)

「ヤバイ！」
信号が黄色にかわった時、私はまだ交差点から20mほど手前のところにいた。

私は咄嗟にブレーキを思い切り踏んだ。

雪道や凍結路面での急ブレーキは大変危険である。絶対にスリップするから。

私の愛車もご多分に漏れず右後輪がスリップし、左方向にスピンしながら赤信号にかわった交差点に突っ込んでいった。

「終った...(T_T)」
冗談でもなんでもなくそう思った。

私は衝突を覚悟した。
しかし愛車はほぼ360°回転してから交差点の真ん中にトンと止まった。どこにもぶつからずに。
私がスピンしながら交差点に突っ込んでいくのを信号待ちしていた車はみんな気づいていたようで、信号が青にかわっても停車していてくれたのだった。

「助かった...」
九死に一生を得た私は、左右にペコペコ頭を下げながらそそくさと交差点をあとにした。

そんなことがあった後である。私は会社までの道のりを40キロ以下のノロノロ運転で向かった。

当然会社には遅刻した。
上司にはカミナリを落とされ、得意先の人にはネチネチと文句を言われ続けた。

私はただ平謝りするだけだった。

寝坊と運転ミスと私自身の甘さが招いた大失敗の話である。
それ以来、雪道での運転は特に気をつけている。

今日はここまで(-_-;)