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2012/12/19 18:52
田山さんの話2
続きを書く。
田山さんという人を簡単にいうと「アウトサイダー」である。
東大中退後、定職にも就かずにパチンコで生計を立てる生活を30年以上も続け、無類の酒好きでヘビースモーカー、舌ガンで舌の3分の2を切除したにも関わらず、煙草と酒をやめなかったので、3年後にガンが再発、結局はそれが元で54歳という若さでこの世を去ってしまった。
だからこの人は、自分と同じアウトサイダーとして生きる若い人を常に暖かい眼差しで見つめていた。この人は酒や煙草と同じぐらい仲間、特に若い仲間を愛した人だった。
パチプロから足を洗って職についた若いパチプロ仲間に「心が揺れ動く時もあるだろう。それでいい、それでこそ、人間だ」とエールを贈る田山さんの文章は、人間愛に溢れていた。
「こんな人になりたい」本気でそう思った。
パチプロになりたい、とは思わなかったが(笑)
田山さんが亡くなった時、朝日新聞が死亡記事を出した。職業を「作家・パチプロ」として。
天下の朝日新聞がパチプロの死亡記事をだしたのである。田山さんが亡くなったのはとても悲しかった。でもこのことだけは痛快であった。
田山さんが亡くなった時、私はショックのあまり全て持っていた田山さんの著書を処分してしまった。いま思うと、なんてバカなことをしてしまったのかと後悔している。
でも、私の記憶の中には田山さんが離れずについていてくれている。晩年は「書く」ことに生きがいを見出だしていた田山さんに少しでも追いつきたい。だから明日も日記を書こう(^-^)