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2013/02/16 12:59
愛すべき頑固者( ステイゴールドの話)
ステイゴールドのことは日記でも何回かとりあげているが、いずれも「種牡馬」としてのステイゴールドであり、「競走馬」としてのステイゴールドを書いたことは1度もなかった、ということについさっき気がついたので、今日は「競走馬ステイゴールド」のことを書く。
「頑固一徹」ステイゴールドを四文字熟語で表すと、この熟語がピッタリではないかと思う。
とにかく頑固者で、自分が納得しない限り調教でもレースでも人間の言うことなど知ったことじゃないとばかりに自由気ままに振るまっていた。
おまけにレースにまるで集中せず、「レース中はつねに止めるチャンスを窺っていた」と、主戦騎手の1人だった熊沢重文を嘆かせていた。
「最後まで掴み所のなかった馬」もう1人の主戦騎手、武豊はこう振り返っている。
レース中によく見せた左にササる癖は、熊沢騎手に言わせると「左に寄れば騎手が御することができなくなって、レースを止めることができると思いこんでいたのだろう」とのことである。
間違い無く能力はあったことは、4度のG12着が示しているとおりである。小柄な体が災いしたのと、激しすぎるうえに気分屋な性格がステイゴールドの出世を遅らせた。
能力だけで言えばディープインパクトに匹敵しただろう。惜しむらくは「まともに走ったレースが数えるほどしかない」ことである。
ステイゴールドは生涯50戦しているが、私が見る限りステイゴールドが「まともに走る気になった」レースは、2000年の目黒記念、翌年の日経新春杯、海外での2戦の計4回だけである。
「能力はあるのに勝てない」馬ではなかった。
「走る気になれば勝てるのになかなか走る気にならない」馬だったのである。
ステイの気まぐれにファンは振り回され、ヤキモキし、歯がゆい思いを何度もさせられた。
でも憎めない馬だった。いつかきっとG1を勝てる、勝つ姿をこの目で見たい、そう思わせてくれる馬だった。
「いつかきっと」競馬に限らず、生きていくうえで私たちがいつも心に秘めていることである。
そんな私たちの思いに、ステイゴールドは最後の最後で応えてくれた。
「最後くらいまじめに走ってやるか、応援してくれた義理もあるし、いい繁殖牝馬を集めなきゃならねーからな( ̄▽ ̄;)」と彼が思っていたかは知るよしもないが、シャティンの最後の直線200mで見せた「羽が生えたような走り」には、彼のそういう思いが秘められているような気がした。
後々のステイゴールドの種牡馬としての活躍は、わざわざここで書く必要はないだろう。
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ばいありーたあくさん
Minoukoさん>コメありがとうございます(^-^)
まさに「むらのある性格」が仇となって、勝てるレースを落とし続けた、という感じですね。
日高に売られたのも、そういう性格が生産牧場側に嫌われて、繁殖牝馬が集まらなかったのが大きな理由の一つです。サンデーサイレンスの直仔の種牡馬が飽和状態だったこともありますが(-_-) -
Minoukoさん
むらのある性格のようでしたが成績はけっこう安定していましたね。最後の走りはバイアリーさんのようなロイヤルなサポーターに支えられていたのがわかったのでしょうか。小柄だし、調教師・騎手泣かせだったので社台に売られてしまったのでしょうか。でも日高の救世主になってよかったと思います。
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ばいありーたあくさん
とろ。さん>こんばんは(^-^)コメありがとうございます。
ステイゴールドが勝った時のシーマクラシックはまだG2でしたが。負かした相手は当時の世界最強馬のファンタスティックライトでしたから、もの凄く価値のある勝利だと思います。
香港ヴァーズでの残り200mから繰り出した末脚は、後にディープインパクトが「飛ぶ」と称された脚に匹敵するものがありましたね。
記憶に残る名馬、という表現がピッタリの馬でした。 -
とろ。さん
こんばんは。
ゴドルフィンキラーのステイゴールド!ってイメージです。
僕もばいありーさんと同じで能力ならディープと同じだけあると思います。
シーマクラシックではあのファンタスティックライトに勝ちましたからね。
本当に強い馬で環境が向かなくなればなるほど強くなるステイが好きですw -
ばいありーたあくさん
ぼう0508さん>こんばんは(^-^)コメありがとうございます。
ステイゴールドが種牡馬としてあれだけの成功を収めたのは、彼自身がディープインパクトに勝るとも劣らない能力の持ち主であったからだと、と言えるのではないでしょうか。
(もちろん、BMSとしてのメジロマックイーンの存在もありますが)
小柄な体ながら、2歳から7歳まで50戦も無事に走りきった頑丈さは、まさに「無事是名馬」を地でいくものでした(^.^) -
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ぼう0508さん
走る気になれば勝てるのに…本当にそうだったかも知れませんね。
親の心子知らずの逆で、もしかしたら人間がヤキモキするのを楽しんでいたのかと思えるような(笑)
馬場いりををごねたスイープトウショウの渡辺師、鶴留師もそうでしたが、根気強く育てた池江泰郎師には頭が下がります。
最後の最後に花開いた「黄金旅程」、正に記録より記憶に残る名馬ですね。