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2013/08/23 22:04

オグリキャップの話(その5・1990年)

オグリキャップの話の第5回目、今回はオグリ現役最後の年、1990年のことを中心に書いていく。

まずはこの年の戦績を書いておく。

安田記念 1着
宝塚記念 2着
天皇賞(秋) 6着
JC 11着
有馬記念 1着

安田記念を1分32秒4のコースレコードで圧勝したオグリキャップは圧倒的な1番人気で宝塚記念に出走したが、オサイチジョージの大駆けの前に惜しくも敗戦、春秋グランプリ制覇は成らなかった。

この後脚部不安を発症したものの、天皇賞(秋)には出走にこぎ着けることができたオグリキャップではあったが、天皇賞(秋)のレース前、思わぬ所から「妨害」を受けた。

天皇賞(秋)のレース直前に、某テレビ番組がオグリキャップの24時間密着取材を行った。
普通、競走馬を取材する時は調教後か馬房に戻ってから必要な分だけ取材を行って、夜間は馬にストレスを与えないために撮影は行なわず、スタッフは引き上げるものであるが、そのテレビ番組のスタッフは昼夜問わず、1週間オグリの前でカメラを回し続けたそうだ。しかも、カメラを嫌って馬房の奥に隠れたオグリをニンジンや牧草をちらつかせておびき出し、撮り続けたのである。

「あの取材のおかげでオグリは相当なストレスを受けてしまった。気がついた時はオグリは全くカイバを食べなくなってしまった」
当時の担当厩務員だった池江敏郎(後に池江泰郎厩舎に移籍し、ディープインパクトを担当)はそう述懐する。

オグリキャップはストレスから体調を崩してしまい、天皇賞(秋)、JCは惨敗してしまった。

オグリキャップの体調がようやく上向いてきたのは、有馬記念の直前になってからである。

そして迎えた有馬記念では、1000m通過タイムが1分04秒1という超スローペースのために他の出走馬が折り合いを欠く中、オグリキャップは中団でじっと我慢し、第4コーナーを過ぎてから一気にスパート、TV解説者の大川慶次郎氏の絶叫に後押しされた(?)メジロライアンの猛追をかわして見事に1着、引退レースを奇跡の復活で締めくくったオグリキャップに、中山競馬場に詰めかけた観衆は「オグリ」コールで芦毛の怪物に最大限の称賛を贈ったのである。

オグリキャップはこの年の年度代表馬にえらばれ、翌91年には顕彰馬に選出された。


オグリキャップという馬のことを5回にわたって書いてきたが、「オグリキャップの話」はまだ終わりではない。次回は「オグリキャップ」をとりまく人々や当時の世相から見たオグリキャップの存在意義、といったテーマで第6弾を書いていくつもりである。もう少しだけお付きあい願いたい。今日はここまで(^-^)

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    Minoukoさん>こんばんは(^-^)コメありがとうございます。

    実を申しますと、オグリキャップの密着取材の件はこの日記を書くための下調べをした時に初めて知りまして、少なからずショックを受けてしまいました(-_-;)

    当時のテレビ局は「視聴率さえ取れば何をしてもいい」とまで受けとれるような非常職なことも平気でやっていましたし、オグリを取材したスタッフの中に、競馬どころか馬についての知識を持っている人は誰もいなかったそうです。

    取材対象について何の事前調査もせず、ただ「数字を取るための手段」としかオグリを扱わなかったテレビ局の姿勢には、今さらながら怒りを覚えます。

    2013/08/25 18:50 ブロック

  • Minoukoさん

    オグリキャップのスピリットほど今の日本人に必要なものはありませんよね。馬は繊細な動物だと思うのですが、某メディアのへくり取材、許せないものがあり、このひとこと日記でリマークして頂いて感謝しています。オグリキャップは何十年たっても日本人の精神性を代表していると思います。いつもながら素晴らしいwrite-upをありがとうございました。

    2013/08/25 05:15 ブロック