2908件のひとこと日記があります。
2014/11/07 21:20
エルコンドルパサーの話(その12)
1999年10月3日、「78e Prix de l`Are de Triomphe」=第78回凱旋門賞がロンシャン競馬場にて行われました。
馬場状態は「史上最悪の」超不良馬場、長めにカットされているうえに多量の水分を含んだロンシャンの芝は何よりもパワーと持久力、そして馬の底力が試されました。
下馬評ではエルコンドルパサーとフランス、アイルランドの両ダービーを制したモンジューの一騎討ちという見方が有力で、BCターフを連覇した芦毛の追い込み馬デイラミは道悪下手のため、評価を落としていました。(現にデイラミの陣営は最後まで出走するかどうかを迷っていました)
現にエルコンドルパサー、モンジューの各陣営はお互いを「最強の敵」と見なしていました。
二ノ宮敬宇調教師はモンジューの最終追い切りを見て「この馬には勝てないだろう...」と半ば負けを覚悟したそうです。
(これには理由がありますがそれについては後々書いていきます)
一方、モンジューのジョン・ハモンド調教師はエルコンドルパサーの追い切りを見て「この馬には勝てないかもしれない」と危機感を募らせ、急遽ラビットとしてジンギスカン(モンジューとは同馬主)を出走させることにしました。
そして、エルコンドルパサーには「アウェーの洗礼」とも言うべき事態が起こっていました。
海外のレースでは馬番と枠番が異なることが珍しくありませんが、これは馬番と枠番の抽選を別個に行うからです。
凱旋門賞の枠番抽選は原則として非公開で行なわれます。この年も例年に漏れず非公開で抽選が行なわれました。
抽選の結果、エルコンドルパサーは1番枠、ジンギスカンは2番枠、モンジューは4番枠でした。
エルコンドルパサーは前走フォワ賞で半ば強制的に逃げる競馬をさせられています。前走で逃げる競馬をした馬は往々にして次走では行きたがるものです。行きたがる馬の隣にペースを度外視して逃げまくるラビットを置いたら....馬がムキになって暴走するラビットを追いかけてしまうかもしれません。
おまけに1番枠に入った馬が最も恐れることは「馬群に包まれる」ことです。凱旋門賞では直線半ばまで馬群が一団となって進むことは珍しくありません。そうなると最内にいる馬は進路を失くしてしまうリスクが格段に増してしまいます。
実は、蛯名正義騎手が最も恐れていた事態がそれでした。
ラビットの隣に入ったことでハイペースに巻き込まれるリスクと最内で包まれて身動きが取れなくなるリスク、まさに「二重の罠」ともいえる最悪の枠にエルコンドルパサーは入ってしまったのです。
一方、モンジューはエルコンドルパサーを見ながらレースを進められる4番枠、まさに絶好枠でした。
偶然というにはあまりにもモンジューに都合が良すぎる枠番、エルコンドルパサーはいきなり敵地で戦うことの困難さに直面したのです。
To be continued....
-
とうけいにせいさん
ハマーさん>こんばんは(^^)コメありがとうございます(^_^)
あらゆる意味で欧州のホースマンを本気にさせた初めての日本馬がエルコンドルパサーですよ(^^)
モンジューは道悪の鬼でしたからね(*_*)
おまけに斤量も3.5キロ軽い。
まさに必勝体制で臨んでいました。 -
ハマーさん
モンジューは欧州でも10年に1頭クラスの名馬だと思いますが、その調教師に勝てないかもしれないと脅威を感じさせるほどのものがエルコンドルパサーにはあったということなんですね。
エルコンドルパサーは不良馬場もこなせるけど、鬼というほどではなかったでしょうから、枠に加えて馬場もモンジューに味方していましたね。 -
広瀬北斗さん
ドラール賞で9頭立て9着で競走生活を終えたようです。こちらも同じオーナーですね。いくらラビットでもそこそこの能力がないと無理ですものね。
-
とうけいにせいさん
広瀬北斗さん>おはようございます(^^)コメありがとうございます(^_^)
ハッピーウッドマンという帯同馬がいたんですが、凱旋門賞には出てないはずですね(*_*) -
広瀬北斗さん
オルフェーヴルの時は逃げませんでしたが,ステラウインドウが露払いをやりましたね。そういえば帯同馬はいませんでしたか?
-
飛虎(放牧中)さん
そうなんですか、ラビット出したから卑怯ってわけではないんですね。
勉強になります。
エルコンドルパサーは相手に敬意と脅威を抱かせる存在、
改めて、エルコンドルパサーの偉大さがわかりました。
フレグモーネ回答ありがとうございます。
万全の状態で戦って欲しかったので、よかったです。
「その13」が待ち遠しいです(笑) -
とうけいにせいさん
飛虎(放牧中)さん>こんばんは(^^)コメありがとうございます(^_^)
ラビットを出走させるのは欧州のレースでは常套手段です。特に有力馬を持っている陣営はスローになりすぎて結果として脚を余して負けるのを避けるために、または有力馬に有利なペースを作るためにラビットを配します。
考えようによっては相手がラビットを配したということは、総力戦を挑んできたということだと言えるんですよ。
エルコンドルパサーは相手に敬意と脅威を抱かせる存在だったということですよ。
ちなみにフレグモーネの影響はなかったと言ってもいいでしょうね(*_*) -
とうけいにせいさん
東京競馬場の怪人さん>こんばんは(^^)「いいね!」ありがとうございます(^_^)
-
とうけいにせいさん
msz-006さん>こんばんは(^^)「いいね!」ありがとうございます(^_^)
-
飛虎(放牧中)さんがいいね!と言っています。


