nプロ会報vol.47 (その1)

全国8000万人のプロレスファンのみなさん、こんばんは(*・∀・*)ノ
nプロ会報vol.47をお送りします。

☆プロレス偉人伝SP「坂口征二伝説」

今回のプロレス偉人伝は「世界の荒鷲」こと坂口征二さんを取り上げます。

現在のプロレス界は新日本プロレスの1強状態が続いていますが、旗揚げ当初の新日は経営状態が最悪で、いつ倒産してもおかしくなかったそうです。
青息吐息の状態だった新日を救ったのが、誰あろう坂口征二さんなんです。

当時坂口さんは日本プロレス(以下日プロ)でジャイアント馬場さんに次ぐエース格として活躍していましたが、当時の日プロは日本テレビとNETテレビ(現、テレビ朝日)が中継を行っており、馬場さんの試合を日テレが、坂口さんの試合をNETが中継していました。
しかし、馬場さんが日プロを退団して全日本プロレスを旗揚げした時に日テレが全日本プロレスの中継をするために日プロから撤退、NETのみが日プロの中継をすることとなりました。
ジャイアント馬場、アントニオ猪木という二枚看板を失った日プロの人気は急落し、NETの中継の視聴率も下降線を辿っていきました。

「このままでは中継を打ちきるしかない」
危機感を覚えたNETは、坂口さんにある提案をします。

「新日本プロレスに行かないか？」

アントニオ猪木氏の人気とカリスマ性はまだまだ健在でした。
NETは猪木氏の試合を中継したいがために、坂口さんと猪木氏を合流させようとしたのです。

坂口さんは熟慮の末にNETの申し出を承諾しました。
当初は新日と日プロの合併という形での合流を目指していましたが、日プロの一部の選手が猛反対したために合併の話は頓挫し、坂口さんは木村健悟らを連れて日プロを退団、新日に合流しました。

当時のプロレス団体はテレビ中継がなければ経営が成り立たない、と言われていました。旗揚げ当初の新日が経営難に陥ったのは、テレビ中継がなかったからです。
坂口さんがNETという大きなお土産を持って新日に合流したお陰で、新日は息を吹き返したのです。

それからの坂口さんは猪木氏の右腕として新日を選手として、また経営者として支え続けました。
猪木氏が度々サイドビジネスや興業に失敗して巨額の赤字を出した時、尻拭いをしたのは坂口さんでした。

坂口さんの実直な人柄は多方面で信頼されていました。
新日の社長に就任した時は経営に役立てるために簿記を習い、また自宅を抵当に入れるなどして金融機関の信用回復に努めました。

また、ジャイアント馬場さんは新日の初のドーム興業にジャンボ鶴田、天龍源一郎などの主力レスラーを「坂口さんの社長就任祝い」として快く貸し出しました。
目玉カードだった「リック・フレアーvsグレート・ムタ」が実現しなかったために大量の売れ残りがあったチケットは全日勢が参戦することが発表されてからすぐに完売したそうです。