2908件のひとこと日記があります。
2015/03/29 21:28
サクラスターオーの話(完結編)
1988年早春、サクラスターオーの生きるための闘いは続いていました。
脚への負担を減らすために飼い葉を減らした結果、サクラスターオーは見る影もなくやせ衰えていきました。
しかし容態は全く回復する気配を見せません。陣営は最後の手段として手術を決意しました。
4月8日、患部にボルト9本を埋め込む手術が行われ、無事に成功しました。
しかし....
手術直後から、サクラスターオーは人間を拒みはじめました。
長年世話をしてきた厩務員さん以外には全く手を触れさせず、暴れることもしばしばでした。あげくのはてには暴れた拍子に患部のボルトが2本外れて、再手術しなくてはならないほどでした。
「俺をどこまで苦しめる気だ!」
サクラスターオーはそう言いたかったのかもしれません。
人間たちの気持ちとは裏腹に、サクラスターオーは自らの死期を悟っていたのかもしれません。
1988年5月12日、サクラスターオーは自力では立ち上がれなくなりました。
起き上がろうとして右前脚を脱臼してしまったのです。
彼の生きる望みは全て断たれました。
「もういいだろう。楽にしてやろう...」
全演植オーナーは魂を引き裂かれるような思いで、辛い決断をしました。
平井雄二調教師は泣いていました。
みんな泣いていました
「もう立たなくてもいいんだ。立たないでくれ!」
関係者全てが声をあげて泣いていました。
一本の注射が用意されました。
サクラスターオーの命の灯を消すために...
1988年5月12日午後10時、サクラスターオーは天へと旅立っていきました。
現役時代は450キロほどだった彼の体はわずか250キロにまで痩せ細っていました。
彼の亡骸は荼毘に伏され、生まれ故郷の藤原牧場へと戻っていきました。
今でも藤原牧場には彼のお墓がひっそりと建っています。
風薫る皐月の空に輝いた流れ星の伝説は悲しい結末となってしまいましたが、この世に競馬がある限り、サクラスターオーという流れ星の伝説はいつまでも語り継がれていくことと思います。
もうすぐ今年のクラシックシーズンがはじまります。
今年はどんな流れ星が皐月の空に輝くのでしょうか....
(あとがき)
「サクラスターオーの話」はこれでおしまいです。
最後まで読んでくださった皆様に心より御礼を申し上げますm(__)m
最後までお付き合い下さって、ありがとうございました( ^∀^)
-
reibunさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
サクラスターオーが去ってから27年たちました。
彼の血を引く馬はいませんが、彼は今でも私たちファンの心の中にいます。
面倒な作業だったと思いますが、最後まで読んでいただいてありがとうございました( ^∀^) -
reibunさん
こんばんわ。
1話から拝見させていただきました。
サクラスターオー。
競馬歴の浅い私は初めて聞いた名でしたが、
これからはこころの片隅に留めておきたいと思います。 -
広瀬北斗さん>字数オーバーでした(--;)
〜あなたは立派ですよ。
2度と間違いを犯さないと心に決めて、それを実行できてるんですから。 -
広瀬北斗さん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます( ^∀^)
競走馬にとって骨折が命に関わる重大事故になりうる、というのは競馬雑誌で読んだことがあるので知ってはいたんでしが、まさか自分が競馬をやり始めてすぐに直面することになるとは思いませんでした。
メリーナイスの落馬の時は根本騎手のケガの具合を多少心配しましたけど、馬のことは気にかけませんでした。
たぶん大多数の人が馬券対象に入れてない馬が落馬しても馬のことは心配しないんですよ。
騎手の方は気になりますけど....
故意に落馬や故障を望む....それは間違いです。誰にでもわかります。
でも、知らず知らずのうちに「そうなったらいいな」と考えてしまうこともある。そのことは不道徳ではあるけれど、お金がかかると人は変わってしまいます。
その事をただ責めるわけにはいかないんです。
あなたは立派ですよ。
2度と間違いを犯さ -
広瀬北斗さん
訃報を知ったのは三社祭の時でした。大学の友人が日刊スポーツの一面にデカデカと出ていて最初競走馬だと思えなかった,と話してくれたからでした。競走馬の骨折が人間よりも甚大な被害になる事は何となくわかっておりましたが,まさか死ぬまでとは知りませんでした。本当にその時,自分の馬券を当てるが為に,メリーナイスの落馬を喜んだ自分を恥じました。大体が騎手も落馬により死亡や,後遺症に悩むケガを負う事があるのですから,想像力の欠如した人間でしか無かったのです。
とにかく再度この時に,落馬や故障を望んだら,競馬は辞めようと決めました。今もそれは変わら無いですが,幸いにも続けられています。 -
みゆパパさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
「いいね!」ありがとうございます(^_^) -
はちわれさん>こんばんは(*・∀・*)ノ
コメありがとうございます(^_^)
おっしゃる通りです。
医学の進歩で今までは救えなかった命も救えるようになりました。
でも、手の施しようがないほどの重傷を負った馬、地方でも走れなくなった馬、人しれず闇に葬られる馬の方が圧倒的に多いんです。
競馬とは競走馬の生存競争でもあるのです。
レースを行うということは、命をふるいにかけるということでもあるのです。
それを心に留めて競馬を見続けていかなくてはならないと思います。 -
ぼう0508さん>こんばんは(*・∀・*)ノ
「いいね!」ありがとうございます(^_^) -
みゆパパさんがいいね!と言っています。
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はちわれさん
延命といえばテンポイントや近年では米のバーバロがまず思い浮かびます。
しかし時代は変われど延命は難しく馬にとっては苦しみでしか無いのかもしれません。
日本では生産されるサラブレッドの8〜9割は乗馬転用の名のもとに処分されています。
10年ほど前に表舞台から消えたアラブ系も然り。
馬も家畜と同様、経済動物の宿命ではあるのでしょうが。
まとまりのない文章になってしまいましたが、大舞台で活躍する名馬や良血馬の影で表舞台から消えて行く馬が数多くいることを心の何処かに留めながら競馬を楽しんで行こうと思います。
駄文、失礼致しましたm(_ _)m