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92件のひとこと日記があります。

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2015/11/21 20:45

ジャパンカップに寄せて   2

しかし、カツラギエースが勝つ前の年に、忘れられない馬が居た。
キョウエイプロミスだ。
私は、キョウエイプロミスカツラギエースが二年をかけて、
世界に追いつくための20年を2年に縮めたのだと思っている。

カツラギエースが勝つジャパンカップ4回の前年、
第3回ジャパンカップで2着に入ったのが、キョウエイプロミスだ。
このレースを、ぜひ見てほしい。
この頃のジャパンカップは日本馬が勝てないレースだった。
だからこそ、日本の誇りをかけてありとあらゆる技術と情熱をもって日本が挑んだレースだった。
そのレースに出る馬たちは、「日本の総大将」と呼ばれた。
馬にも人にも日本にも意地があった。
勝たなければならないレースだった。

有名な話がある。
ジャパンカップに出場する外国馬の関係者が報道プレスの前で挑発した。
1回2回と勝てなかった日本の競馬関係者に向かって、
「日本にはトリプルクラウン馬がでたというのに、何故彼は私の馬の相手をしないのか?」 
その年、ミスターシービーが三冠馬になっていた。
しかし彼はジャパンカップを回避したのだった。
「最強馬を出さないなんて、もしかして、我々をバカにしているのか?」
その挑発に、調教師が答えた。
「ですから、最強馬は出ています」
きっぱりと、
「われわれのキョウエイプロミスがお相手をする」
調教師は言い放った。

その言葉通り、キョウエイプロミスは走った。
足元に不安があったため、彼は練習でも全力で走ったことが無かったそうだ。
しかし、そのレースの最後の直線、
彼は全力で走った。
なにが彼をそうさせたのか、われわれは想像することしかできない。
しかし、わかる。
彼は鞭で叩かれたから走ったのではなく、
きっと「勝ちたくて」走ったのだ。

彼は日本を勝たせるために走った、日本の馬だった。

20年は勝てないと言われたレースの2着に入選し、
日本は両手を突き上げて歓喜した。
その歓喜の声が、
レース後のターフに現れた馬運車に乗りこむ馬にかききえた。

その馬運車に乗り込んだのは、キョウエイプロミスだった。

故障したのだ。

馬は健気で、だからこそ一瞬の光を放つ。
勝った馬を心から讃えたいのは、そのせいだ。
勝った瞬間しか無いのだ、競走馬には。
その瞬間にかけて生きるいきものなのだ。
だから讃えたい。
だから尊敬する。
勝った馬を、心から。

ジャパンカップというレースの重みをキョウエイプロミスは教えてくれる。
そして、カツラギエースの偉大さを心に刻み、
今年はどの馬が勝つのか、
そんなことを考えている。

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  • カツラギエース
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  • ミスターシービー

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  • するめさん

    いえ、エアウメッシュさん、余談を拾う女です、わたし(笑)
    そう言われてみれば、
    追い込んでくるロッキータイガーの姿に、ロッキーのテーマが重なって聞こえます。
    小さな「公営の星」が、
    大きな「世界」を蹴飛ばす姿に、
    感動しますよね。

    私の小さな努力も積み重なれば、
    何時か世界に敵う日が来るのではないかと、
    これから先の20年を夢みる勇気をくれます。

    動画を見て下さって、ありがとうございます。
    シンボリルドルフとロッキータイガーが頑張ったジャパンカップは、
    第5回でしたね。わたし、間違えていました。←今、気付いた(笑)

    2015/11/29 11:57 ブロック

  • エアウメシュさん

    こんにちは♪

    動画見ました!
    カツラギエースもキョウエイプロミスも凄いけど
    ロッキータイガーさま凄いですね(≧▽≦)
    上2頭は名前くらいは聞いた事あったけどタイガー様は知りませんでした〜

    そうか〜そんなに日本馬が勝てない時代があったんだぁ…


    余談ですがロッキータイガーって名前は映画『ロッキー』のテーマソング『アイ・オブ・ザ・タイガー』とくっつけたんでしょうかね…(これにコメはいりませんよ〜独り言みたいなものですからw)

    2015/11/28 12:32 ブロック

  • するめさん

    そうなんです、のど輪だ田上!さん!
    日本馬、舐められまくっていました。しかも勝てなかったどころか、影も踏めませんでした。
    こんな時代があったんですね。

    デットーリさんの件については、わたしも不明です。良く気がつきましたね!
    私もこの時代の競馬は話を聞いたり、映像を見ただけで、実体験ではないんですが、
    この頃の競馬に詳しい方が会社に居てですね、
    物凄く熱く語ってくれるんですよ。
    この時代の人たちは、競馬熱高いです(笑)
    シンボリルドルフの勝った第6回JCの2着は地方馬だったりするんですよ。
    ロッキータイガーさまです。
    このころの地方競馬って、どれくらい盛り上がったんでしょうね(笑)

    この頃の競馬を知らない分、
    私は私の見ている時代のJCを愉しみたいと思います。

    ラブリーデイとゴールドシップの叩きあい。
    絶対伝説になると思います。

    2015/11/27 19:04 ブロック

  • のど輪だ田上!さん

    こんばんは。
    キョウエイプロミス、youtubeで見てきましたよー。
    こんなに日本馬が舐められまくってる時代があったんですねぇ。今じゃ考えられないけど。でもなんか日本が一丸となって対世界に勝負を挑んでる感じが個人的には好きですが。

    実況も興奮してましたね、それだけ凄いことやったんですねキョウエイプロミス。
    これが本来のジャパンカップってやつか。
    今年の本番までにもうちょっと色々見てみようかな(^^)

    しかし俺は当時昭和58年は小3♪
    デットーリが騎手で乗ってるけどあの人ちょっと前に来てたデットーリかね?

    2015/11/23 21:30 ブロック