92件のひとこと日記があります。
2015/11/21 20:49
ジャパンカップに寄せて 1
仕事をしていたら、仕事の偉い人がジュースを買いに廊下を歩いていて、
なにやら「カツラギエース」とかなんとか言っているのが聞こえたので、
思わず、「ジャパンカップですね!!!!」と興奮してしまった。
自分に話しかけられたわけでもないのに、
「カツラギエースなんて名前を聞いて黙って居られませんよ!!!」と、
勝手に逆切れして、えらい人を苦笑いさせてしまった私だ。
この季節に一本道の廊下でいきなりカツラギエースだよ?
しかも私は先頭を歩いていて、えらい人が2,3人後ろからやってきて、
追い抜かされそうになっていて、
その間際、
耳元を越えて行こうとしている人の肩から「カツラギエースが…」の声が聞こえてきたら、
そりゃ駆けだすわな?
二枚腰で、後ろを突き放すわな?
「廊下は走るな」と小学校でも教えられたけれど
社会の基本だけれど、
なんてことのないただの一本道の廊下だけれど、
「カツラギエース」と聞こえたら、最後の直線200メートルと誤解するわな?
いきなり早足で駆けだした私に、えらい人は驚いていました。
しかしながら、
この季節に直線200メートルのところで「カツラギエース」ならば、
日本の総大将として逃げ切らなければなりません。
偉い人が三冠馬だろうが、
後20年勝つのにはかかるだろうと言われた外国馬だろうが、
10番人気で相手にされていなかろうが、
カツラギエースときたら勝たねばならぬ!
ジャパンカップの4回目優勝馬は「カツラギエース」だ。
追い込み場でも先行馬でも1番人気でも三冠馬でもなかった、
逃げ馬で古馬でクラシックには縁がなかった、本格化するのに時間がかかり、
10番人気で、4コーナーを先頭でまわっても名前を呼ばれなかった。
最後の200メートルで馬軍にのまれそうになった時は、実況にこれで「さいなら」の意味で一回だけ名前を呼ばれた。勝つなんて思われてなかった。後ろから三冠馬が二頭、皇帝シンボリルドルフと破天荒ミスターシービーが追い込んで来ていた。カツラギエースは飲まれて消える、ごくろうさん、そんな雰囲気に蹴りを一発、入れて、カツラギエースは一度も先頭を譲ることなく、外国馬を一蹴した。
「カツラギエースです!!!!」
後二十年は敵わないだろうと言われた外国馬の強豪たちに、日本馬が勝った瞬間だった。
カツラギエースは追いつけないだろうと言われた「20年」を蹴り飛ばした偉大な馬だ。
下のページ(ジャパンカップに寄せて2)に続く→→→