92件のひとこと日記があります。
2016/04/16 20:27
青い青い競争
井上陽水をリアルタイムで聴いた世代ではないのだけれど、
この人の曲は、いつまでも色褪せないので、
発売された時代がどんなに過去になろうとも、
流れてくるだけで、その時代に馴染む、
多分、過ぎ去った日々への憧れかあるのだろうと思う。
少年時代、という曲がある。
最初のフレーズで、冴えわたるような青空が広がる。
この歌の季節は夏で、浴びせかけるような蝉しぐれに、
虫取り網を背負って走った記憶、
過ぎ去った昔に過ごした、もう二度と戻らない、一度だけの輝いた夏、
そうゆうイメージが立ち上ってくる。
しかし、だ。
ちょっとお待ちください。
冷静に歌詞カードを見てみると、
この曲の歌詞、
もう、これが、実はものすごくいいかげんなのだ(爆笑)
一行目から、「夏は過ぎ」ているし、「風あざみ」ってなんだ?
あざみの花みたいにチクチクした棘のある風か?
しかも、季語としてのあざみは6月だ。
え、夏じゃなかったの?
「ながい冬が窓をとじて」
は、春だったの?
「なつまつり?」
やっぱ、夏だったの?
「八月は夢花火?」
は、八月だったの? え?
…ってな具合で、季節設定もわかりません(笑)
でもしかし、この曲は圧倒的に夏なのだ。
そして、何もかもが足りないのにそれだけで充分美しい少年の姿が浮かび上がる。
身長百三十五センチの、低い場所から思い切り手を広げて受け止めた青空が、
目の前に広がるのだ。
意味のわからない、繋がらない単語の羅列と、造語、
まったく説明していない不親切な歌詞なのに、
おそろしく共感を産む。
「こんな夏が自分にもあった」
そんなふうに感じさせる力があるのだ。
この曲を聞くたび、井上陽水を天才だな、と思う。
そして、この曲を聞くたび、
少年時代、百三十五センチだった自分の横を駆け抜けて行った少年たちの、
剥き出しの陽に焼けた腕や、
舐めて治す擦りキズや、
捕まえた大きなセミを無邪気に見せてくれた笑顔を思い出すのだ。
その過ぎ去った感傷は、
皐月賞の若駒たちに重なる。
まだ、この世の入口で、青い彼らが、一直線にスタートに並ぶ。
ここまで来れたのが頂点だった馬も居るだろう。
ここからその先の頂きに駆けあがる馬も居るだろう。
本当の力を3年後に知る馬もいるだろう。
けれど、彼らは今、スタートに一直線に並ぶ。
それは、少年時代の歌のように、私の心に青空と、感傷を残す。
皐月賞、
菊花賞ほど深まらず、
ダービーほど方向が定まっていない、
まだ少年が競うレース、
青い青い競争。
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Chieさんがいいね!と言っています。
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するめさん
エアウメッシュさん、うまいっ!!
そうですそうです、白のパンダを並べてました(爆笑)
あー、笑った笑った(笑)
今年のクラシックは、たしかに、何が飛び出すか分からないですね!
皐月賞、びっくらこきました。
ダービーも面白くなりそうですね!!! -
するめさん
ヴァーさん、
め、めっけられてしまいました…(笑)
こんばんは。
少年時代、の裏話、知りませんでした。
あと、映画化されていたんですね。ドラえもんなのかな?
それにしても、きっとそのお話に感化されて、
井上陽水のセンスが爆発した結果、
この曲が生まれたのがわかりました。
名曲に、隠れた伝説あり、って感じでしょうか。
面白いお話、ありがとうございます。 -
するめさん
のど輪だ田上!さん、
私のお家も、土曜のお昼はそうめんでした(笑)
吉本新喜劇を見ながら食べるのです。
のど輪だ田上!さんは、野球少年だったんですね。
私も野球をやってみたかったけれど、
野球は男の子のもの、って感じだったので、
彼らが打ったり投げたりしているのを、
ジャングルジムの上に座って眺めていました。
わたしの、少年時代です。 -
白のパンダをどれでも全部並べた人ですからね(;^ω^)
もっと言えば「アジアの純真」なのに歌い出しは北京、ベルリン、ダブリン、リベリア
アジアは北京だけだし^^;
ホントあの曲テキトー(笑)
何が飛び出すかわからない今年のクラシック!
そんな感じかな〜( *´艸`) -
ヴァ―さん
するめさんめっけ!おはようございます♪
少年時代のうんちくにうるさいヴァ―でごめんね!とまず謝っておきます
映画化される前の藤子不二雄Ⓐの漫画も一気に読みました。その後の実写版の方が有名ですね。あのジャイアンのようなタケシのその後が凄く気になる最後のお別れシーンでした(ノ_・。)
原作者の藤子不二雄Ⓐの原風景は疎開先、ありあけびなどを獲りながら甘いものに飢えていたもっと素朴な地味なもんです。映画化に喜び勇んで温めていた詩を
友人の井上陽水に託しましたが、ヒットメーカーの手にかかりすべて詩の原型を
留めなかったのが実情のようです^^;
いいんですよ伝われば・・あざみだろうと芙蓉だろうともうきっちり再現されちゃって
いるとこがサングラスの奥で一人悦にいっているとこが憎いですね -
のど輪だ田上!さん
土曜日は学校が終わったら走って家まで帰って、昼飯のそうめん急いで食ったらグローブ持って公園に集合。
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するめさん
RITZ11さん、こんばんは。
井上陽水の歌詞は、わりとどの曲もいい加減ですよね(笑)
アジアの純真なんて、鼻歌か、と思いました、めちゃくちゃで(笑)
それでも、伝わるんですよね。
言葉より深いところで、
形は要らないのかもしれません、
普遍的なものを伝えようとしてくる気がします。
RITZ11さんは、きっと夏の冒険が似合う、
そんな少年だったような気がします。 -
するめさん
おうまの親子さん、
お名前が戻っていますね!
わたしは、あなたのお名前がとても好きなので、
嬉しいです。
おひさしぶりです。
お元気でしたか? -
RITZ11さん
するめさん、こんばんは。
言われてみれば、井上陽水の歌詞は凄く断片的に
言葉を並べているのに、ちゃんと景色が見えますよね(@_@;)
皐月賞は可能性を秘めた若駒に賭けたいと思います。