するめ、職場の人に「天皇賞の予想」を訊かれる。

日曜日には天皇賞があるっていうのに、
わたしの職場では、金曜日もスポーツ新聞はエッチな紙面が開きまくりです（怒）
わたしは彼らに対抗するように、金曜日もせっせと競馬欄を開いて、
わざと、「やっぱり天皇賞は?」とか、「やっぱりこれがくるかな?」とか、
しらじらしく独り言を呟いたりして、競馬活性化運動をしておりました。
すると、若者が二人、わたしのほうへ近づいてきたかと思うと、
「するめさん、天皇賞は何が来ますか？」
などと、話掛けてくるではないですかｯｯ！！！！

うおｯ？！
とうとう、わたしの地味な競馬活性化運動が実を結んだかｯｯ！！！
きゃー！！　こんな日を夢みておりました！
あのねあのね、今回の天皇賞はね!!

わたし「…ゴールドシップとフェノーメノを買えばいいよ？」
若者Ａ「いや、この前するめさん、トウカイなんとかとかって言ってませんでしたっけ？」
若者Ｂ「らー様がどうとかって、真っ赤な顔して熱弁してませんでしたっけ？」
わたし「い、いや、あの、その、、、
　　　　きみらはゴールドシップとフェノーメノを買えばいいと思うよ、うん」

ううう、私としたことが、、、
職場で競馬ファンを増やしたいがばかりに、最も堅い馬券をすすめるとは…（泣）

そんなこんなで、彼らは「ゴールドシップとフェノーメノですね！分かりました！」
と、爽やかに笑って、休憩所を去って行ったのだった。

もちろん、天皇賞の結果は皆さんの知るところの通りだ。
どうしよう、、、彼らを損させてしまった…（泣）
言いわけが頭をぐるぐる回る。
例え百円も誰かを損させてしまうとは。
賭けごとって怖い。どうしよう、火曜日に「するめさんのせいで損した！」とか、
「もう競馬なんかつまんない」とか言われたら…

いや、待て。
「つまんなかった」か？

見て、「損をした」か？

いやいや、決して、
決してつまらない、損をするようなレースではなかった。

人それぞれ価値観はあるだろうけど、
損をして彼らは怒るかもしれないけれど、
でも、

彼らに話したい。

あたしが感じた、あの、

トウカイトリックを迎える温かい歓声を聞いた時の気持ちや、
「この馬を見に来た人も多いでしょう」というアナウンスに泣きそうになった気持ちや、
サトノシュレンの自分の戦い方を貫く姿や、
ジャガーメイルの、ひやっとするような底力や、
ト―センラーの駆け引きや、
フェノーメノのこれから始まる偉大な未来や、
全馬を相手に一頭、単騎で真っ向から一番人気を背負い、
正々堂々と戦い、そして力尽きたゴールドシップの孤独に打ち勝つ姿とか、

そうゆうのを全部、聞かせてあげたい。
競馬って、本当に素晴らしいんだよって。

損させちゃってごめんねって。

でも、それ以上の感動をあげる。
だから、

またあたしに馬の話を話しかけてください、って。

そうゆうふうに、
火曜日、あたしは彼らに話しかけてみようと思います。

みんな、
一生懸命走ってくれて、今日もありがとう。