券売機戦線、異状なし

わたし、券売機が苦手です。
もちろん、職場の食堂の券売機も苦手で、
昼時には私の後ろで飢えた猛者たちが大渋滞を起こして、
「さっさと買えよ」と舌打ちの大合唱です。
月見うどんを買ったつもりが素うどんが出てくるなんてのはザラで、
いつも食券を握りしめて
「どうかどうか卵をうどんにひとつ恵んでください」と食堂のお姉さまに頼み込み、
「一昨日来やがれ！」と追い払われる毎日です。

そんな私は勿論、競馬の券売機も苦手です。
この券売機、幾度となく、わたくしの馬券購入をあの手この手で阻んでおりまして、
馬券を突っ込んでも突っ込んでも嫌だ嫌だと吐き出してくるのは当り前、
いきなり電子音が鳴りだしたり、
脇の小窓から見知らぬご婦人が顔を出してきたり、
ドキドキしがちなわたくしを寿命を少々縮めてくるような、
そんな悪さをしかけてくるのです。
そのくせお金は即座に飲み込んで、
返してくれたことがないところが憎い、というか、さすがだ券売機(ToT)/~~~
そんな様子ですから、
わたくしは頻繁に馬券を買い間違えます。
出てきた応援馬券の名前を見て、「誰？！」と、おののくのもしばしばです。
今日はト―センラーを買ったつもりで、
ダイワマッジョーレを全力で勝ってしまいました。　　←するめの全力応援馬券５００円
勿論「ダイワマッジョーレって、だれぇェェエエエッ！！」と心の中で叫びました（笑）

そして、試練はそれだけではありません。
案内のお姉さんも、苦手です。
そう、馬券の券売機の傍に立っている親切なお姉さんかたです。
見るからにどんくさいわたしは、競馬場に入るなり、お姉さん方の視界にロックオンされるらしく、
即座に背後を追走され、券売機の前に立とうものならすかさず「ご案内しましょうか?？」声をかけられ、
「い、い、ｲｴｯ、けっ、結構です」と詰まりながら断りますが、
そんな時に限って、あんなに確認した投票券の塗りつぶし忘れなどで、投票券が返却、ぴー。
お姉さま方が「教えてやるよ、おらおらおら?」とますます近づいてくるのを、ひきつった笑顔で押しとどめ、その場を離脱。塗り忘れを鉛筆で塗り、再度券売機に向かえば、すでに先程のお姉さんが私を視界にロックオン。「今度はちゃんと買えるんだろうな?おらおらおら?」と言わんばかりに私の方へ歩み寄ってくる。「きゃー、いやー」と私、方向転換してワンブロック先の券売機に移動。しかーし、そこにも笑顔の美しいお姉さまが「待ってました、どんくさい腐女子よ」とでも言わんばかりに私を待ちうける。「ご説明しましょうか？」いえ、いいんです、自分で買えます、大丈夫です。券売機に投票券を入れる。うおー買えたー、しかしダイワマッジョーレ！！「誰だ、おまえｯ！？」（泣）
馬券を買い間違えたのをお姉さんは素早く察知。さすがプロと言わざるを得ない。しかし、わたし、話しかけられる前に泣きながらベランダに逃避。ト―センラーの馬番号を確認、投票券を塗りつぶす。そしていざ、券売機へ！　お姉さんが酔っぱらいのおじさんに捕まっているのを確認、可哀そうだがこの隙に券売機に…と財布を探っていると、右手奥から髪の長いお姉さん登場。捕まる寸前で、私、左へ回避、ワンブロック先へ移動。しかしそこにも先程の笑顔眩しいお姉さんが、、、「あの、、、」「いえッ、そのｯ」もはや言葉になっていない呟きを残し、裏面のブロックへ移動。しかしそこには表面より倍は居ようかというお姉さま方の大群が…
もはや私、サッカー選手のように右へ左へお姉さま方を避け、券売機へ。しかしお姉さま方も然るものひっかくもの、私の背後を狙って声をかけるべく近づく！　いや、交わす私！　逃がすものかとお姉さま、いやんやめて、と私！　
必死の攻防、その後、息も絶え絶えで買った馬券がト―センラーの２００円応援馬券。
ダイワマッジョーレを買ってしまったので、予定より減額なのは、仕方なし。
ということで、　　　　←長すぎる前置きだな（泣）

今日は、らー様の馬券を買いました。

今日は良い天気で、良かった。
でもね、
どんな距離だって、どんな条件だって、あなたを買うよ。
苦手だけど、券売機にお金を突っ込んでね。
あなたのことを応援している。

きさらぎ賞を見てから、
あなたはわたしの「幻のダービー馬」だった。
オルフェーヴルのライバルは「あなた」だと思ってきた。
もう、幻じゃないね。
世界を置いてゆくような、そんな末脚で、
現実にしっかり追いついて、勝利した。

あの寒い日、
あなたを見つけられたこと、本当に幸運だった。

あなたのおかげで、また競馬が好きになったよ。

ありがとう、
私の夢。