92件のひとこと日記があります。
2014/09/20 10:34
とっても不運で幸福な一日 ?
大学の時に、変わった趣味の後輩が居て、
なんだかよくわからないけれど、ものすごく私のことを気に入っていたらしく、
「先輩、明日暇ですか。明後日は暇ですか、いつなら暇なんですか?」
などと熱心に何処かへ行こうと私を誘うので、
「私なんかと何処かへ行ってもちっとも面白くないだろうし、
会話はすぐに終わるし、とにかく何か得意なことができるわけでもないし、
本当につまらないと思うんですけれど?」
とか言って、
「阿呆な誘いは慎んだ方が時間を有効に使えますよ、あなたの人生の無駄遣いです」
と説得を試みたのですが、
「いいえいいえ、先輩、是非とも御一緒しましょう」
などと食い下がり
「美味しいお店もリサーチしますし、ショッピングや映画鑑賞等にもお付き合いできます」
などと熱心に誘うので、
次の日、私はたわむれに後輩のために時間をつくることにしました。
後輩は「明日、楽しみです! 時計台の前で待っています」と言って部室のドアを閉めて、
その一時間後に、
「今、家につきました。これから、明日のランチのお店を検索します。楽しみです!」
と電話してきました。
「楽しみにしているんだなぁ…」と私は思いましたが、不思議でした。
私には、何故後輩がこんなに明日の約束を楽しみにしているのか、
その特異性がよく読み取れなかったのです。
翌日、約束の時間に合わせて、私は時計台の前に向かいました。
約束の時間は「十二時」
おかしなことに、あんなに楽しみにしていると繰り返していた後輩が、
五分たっても現れません。
時間を間違えているはずはありません。
何度も「十二時に、時計台の前で!」と約束を復唱させられていたからです。
なのに、
十五分たっても、二十分たっても後輩は現れません。
「これは担がれたのかな…」と思いました。
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