92件のひとこと日記があります。
2015/02/14 09:21
2月、雑草の観客になる
草競馬は観客もまばらで、
馬券売り場をうろうろしているのはと言うと、
わけのわからない酔っ払いや、
仕事をサボって馬券を買いに来た営業マンや、
なんで平日にこんなところでフラフラしていられるのかわからない若者や、
明らかに「連れて来られました」的な女子供、
彼らを見て、
平日の真昼間に仕事もしないでなにをやっているんだろうこの人たちは、などと、
勘繰るのは間違いだ。
「ここは道徳を教える場所じゃないんだぜ?」
そのとおりです。
かく言うわたくしも、
その日、間違えて年休を取ってしまい、
予定も無いのに、いきなり休みになってしまって、
行くところも無いので、 ←いいわけ(笑)
来てしまいました地方競馬場。
なんだか悪いことをしているような、
そんな後ろめたさは仕事をサボったからってだけの理由じゃない、
なんだろう、この雰囲気…
ここには、
中央競馬場では踏めない色の影がある。
スタンドは吹きっさらし。
負けた親父は容赦なく馬と騎手に罵声を浴びせる。
そこまでちりじりにしなくても良いじゃないかと床に舞う馬券。
走るたび砂をかぶる馬、
名前も聞いたことがない騎手、
諦めたような声、
溜息、
怒号、
地方競馬。
彼らのレースには、勝っても、何故か「負け」の匂いがする。
彼らをはかる天秤には、右側に中央競馬が乗せられるからだ。
才能がなかった、見出せなかった、もしかしたらもっと違う才能があったのかもしれない。でも、彼は馬だった。ほかのどんな才能より与えられた血統や速さ、賢さが重要だった。いや、ちがう。彼にはチャンスがなかった。中央で走れていたら一勝はできた。ばかだな、そんな馬は地方で走ってない。いや、いや、いや、地方でだって、本当は凄い馬が居るんだ。それは埋もれているだけで、本当は。甘いな、本物はどこでだって埋もれないよ。見ろよ、
「あの馬を」
アブクマポーロという馬を知ったのは、恥ずかしながらJRAのCMがきっかけだった。
フェブラリーステークスのCMに、メイセイオペラが取り上げられていた。
「地方の雄が中央で勝つ」
衝撃的なCMだった。
しかし、もっと衝撃的だったのは、
メイセイオペラに興味を持ち、彼の地方での他のレースを見た時、
必ず彼の前を走っていた馬が居たということだ。
アブクマポーロという、ふざけた御菓子みたいな名前の馬は、
メイセイオペラを千切って、何馬身も突き放して勝っていた。
「なんなんだ、この馬は」
「なんて強さだ、この馬は」
私は、この時代の競馬を知らない。
中央競馬が競馬のスタンダードだと思っていた。
地方競馬は中央の下。
そんなふうに思っていた。
そんな私に、
ガツンと一発いれたのは、
まさしく、アブクマポーロの規格外の強さだった。
「この馬が中央で走っていたら」
「この馬にもっとたくさんの機会を与えていたら」
地方競馬を見てきた人たちは、この二頭にきっと夢を見ただろう。
うまくいかない人生や、当らない予想、やつあたりで破く馬券。
平日の昼間に競馬場に立つ、罪悪感。
中央から負け落ちてきた良血や、
中央に行けなかったサラブレッド。
一度は、負けたことのある馬たち。
「無傷ではいられない場所」
目の前を走る彼らの中から、中央と互角に戦える力を見出した時、
地方競馬はどれほどの歓喜を上げたことだろう。
フェブラリーステークス
地方から送り出されたメイセイオペラの、
なんというか、
礼儀とか、無礼とか、それ以前の、
吐き捨てるような「叱咤」
生半可な戦いを制した者ではない、やけくその強さ。
無粋なほどに自分の道を自分の鼻先で突き刺して押し開く。
「勝たせるか、おまえなんかに」
たった1頭の地方馬に、中央馬の怒号が聞こえるようだった。
「どけ! どけ! どけ!」と罵声を発しながら、
彼が背負っていたのはきっと、
そこまで辿りつけなかった無数の地方競馬の誇り。
そうだ、
スタンドに立つまばらな客。
勝っても、褒め言葉ひとつないレース。
呼ばれることのない名前。
投げ捨てられる馬券。
真昼間の平日。
そこで、ただひとり、戦い抜いた誇り。
地方競馬の強さ。
私はフェブラリーステークスというレースが好きだ。
中央競馬の壁を蹴り倒したメイセイオペラの剛脚、
その壁の向こうに見えた景色は、
今も地方競馬の可能性を迎え入れている。
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するめさん
ブンブンさん、こんばんは。
私のページにコメント下さる方は、読んで下さるとわかると思いますが、とても良い方ばかりです。
しかも、私を楽しませようとして下さっているようで、
私は時々驚いたり、本気で爆笑してしまったり、涙がちょちょぎれたり、
感動したりします。
実際にはお会いしたことの無い方ばかりなので、
互いにちょっとした誤解や擦れ違いや思い込みもあるかもしれません。
私のことを本気で干物だと思ってらっしゃる方もいるかもしれませんし(笑)
しょせん干物だから…と、ちょっとぐらい放っておいても腐らないと思って、
放置して下さっている方もいらっしゃるかもしれません。
ページに来てくださる方はいろいろです。
でも、私に言葉をかけて下さる方は私にとって有難い人。
だから、大切にしたいと思っています。
あなたの言葉も私は大切にします。
声をかけて下さって、ありがとうございます。 -
するめさん
のど輪だ田上!さん、こんばんは!
私はあんまり地方競馬は詳しくないんですが、 ←実は(笑)
前に会社に居た競馬好きのおじ様が、地方競馬好きで、
「アラブの良し悪しは一目瞭然だ。サラブレットはわからん!」
と、よく言っていました。
そのおじ様が教えてくれたのが、兵庫大賞典のサンバコールのレースでした。
「アラブが強い!サンバコールがサラブレットを完全に一蹴する!!」
YOUTUBEで見たその映像に、度肝を抜かれると同時に、
アラブの居なくなった競馬の淋しさを感じました。
のど輪だ田上!さんは、川崎、大井にも行かれるんですね。
では、アジュディミツオーやメイセイオペラに酒がすすんだことでしょう(笑)
飲みすぎ、心配です(笑)
地方から、中央を脅かすような強い馬が出てくると嬉しいです。 -
するめさん
うまりんさん、こんばんは。
いつも気にしてくださって、ありがとうございます。
こそこそ地味に動いているつもりはないですが、
圧倒的に目立たないのは、
前世が「かたつむり」だからでしょうか ←無料占いサイトで判明(笑)
背負うものが多いというのは、お馬ちゃんたちもそうですが、
私たちも同じかもしれませんね。
私たちも勝負に勝負を重ねて生きてきたのかもしれません。
だからきっと、競馬に夢を見るのでしょうね。 -
するめさん
RITZ11さん、こんばんは。
朝、今日は静かに雨が降っていました。
忌野清志郎という可愛らしいボーカリストを
思い出させるような、
雨上がりの一日でした。
朝に上がった雨のお陰で、
昼はどんなに曇っていても、
今夜は、
「雨上がりの夜空に」です。 -
ブンブンさん
こんにちは!
初期の私の日記(サッカーワールドカップ)にコメント頂きまして、ありがとうございました(^o^)
あの頃はリコメすることも知らず、せっかくコメント頂いたのに放置してしまって、申し訳なく思います。
今はだいぶ慣れてきましたので、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
昨日はハッピースプリントに夢をのせていたのですが、残念でした…(;_;)またの挑戦に期待したいところです。 -
ブンブンさんがいいね!と言っています。
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のど輪だ田上!さん
新聞には追込みって書いてある馬が、出ムチ入れてぶっちぎりで逃げ切きる地方競馬。
酒がすすみます♪
騎手も馬も客も這い上がろうとする泥臭い雰囲気が好きです。
この前、川崎競馬場でグリグリの一番人気が飛んだ時「こっちは真面目にやってんだよ!」ってゴール前で叫んでるオヤジは切なかった。
するめさん
川崎、大井にも是非ぃ〜。 -
のど輪だ田上!さんがいいね!と言っています。
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うまりん。さんがいいね!と言っています。
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うまりん。さん
おはようございます。
ひっそりと更新されているので気が付かないけどいつも気にしていますよ!するめさんは飄々と・・またそして思いを胸にいっぱい貯めてお暮らしと思っています^^
中央も数えるほどしか言った事ないものですから・・
偉そうな事は言えませんが、人生あきらめちゃった感の場所
から学ぶことはいっぱいありそうですね。
背負うものがあり過ぎるほどのお馬さんが愛おしいです・・
するめさんはいいなぁ〜ほんと自由人ですね。