92件のひとこと日記があります。
2015/03/08 21:11
阪神大賞典という名の転機 ?
たったひとりで戦わなければならない日があった。
ひとつの失敗をめぐって、誰かに責任を取らせなければならない事態となったからだ。
わたしはその頃年端も行かぬ小娘で、
ただそれ以外に適任者がいなかったから押し上げられただけの、
小さなセクションの責任者だった。
それでもわたしには2人の部下がいた。
ひとりはあまりやる気のない職人気質の青年。
もうひとりは年上の女性だった。
青年は、わたしが自分の上司であることが気に入らないようだった。
なにかを相談すると「それは指示ですか、命令ですか」と必ず訊いた。
わたしはそのどちらとも答えたくなかった。
「指示」ならば相手に自主性はなく、「命令」ならば強制だ。
だから、わたしは「協力をしてください」と答えた。
その答えを、年上の女性はいつも鼻先で笑った。
「わたしは旦那が会社を経営しているお金持ちだからいつでもやめられるの」
彼女は彼女しかもっていない資格を持っていた。
わたしは、責任者でありながら、いつも弱かった。
二人の顔色をうかがい、出方をうかがい、言葉を選んだ。
強制をするのを恐れ、自分を彼らの上に置くのを恐れ、同じ高さからできるだけ物を見ようと同調した。
彼らの言っていることに頷いて、頷いて、決済を押した。
それが私より経験のある人間の意見を取り入れることだと、誤解した。
責任を果たすということは、一日一日業務をこなすことだと思った。
「うまくいってる?」と、他の部署の責任者に訊かれて、
「うまくいっている方だと思います」とわたしは答えた。
ほんとうに、これが上手くいっている、ということなのだと思っていた。
ぶつからないで、自分の意見を言わず、流されていくことが。
おかしいな、と思っても、そのやりかたは違うのではないかと思っても、
休み時間外に青年の居場所がわからない時があっても、
残業をしているのがわたしだけであることも、
年上の女性の出勤簿がなぜかわたしの管理下にないことも、
見えないふりができるのが大人なのだと思った。
わたしの悪口で昼休みの待機所が満たされていることも。
→→→?に続く
※ この日記は???と並んでいます。?が一番上にあって、その下に??とあります。
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するめさん
馬のきもちさん、
こんなにたくさんの気持ちを
「いいね!」のボタンの中に込めてくれていたのですね。
「言葉にできない」というフレーズの持つ、深さと温かさを、あなたに教えてもらいました。
「2月、雑草の観客になる」を書いた理由は、
Fステークスが近かったからというのがきっかけでしたが、
もうひとつの理由は、おうまの親子さんのページを読んで、
おうまの親子さんが地方競馬を応援していることを知ったからです。
時々私は「このひとに読んでほしいな」と思いながら文章を書く時があります。
今回の文章はトウカイトリックと、のど輪だ田上!さんに読んでほしくて書きました。
馬のきもちさんがトウカイトリックを大切に思っていてくださっていたことも、私は知っています。
あなたの言葉はトリックが「支え」であることが良くわかるものでしたから。
だから、これはあなた宛ての文章でもあるのです。
下に続きます↓ -
するめさん
今も、届けば良いと思っています。
私の、感謝や、応援が。
笑って生きていたい、泣かずに痛いものから距離を取って、丸く旋回しながら避けて避けて、
そんなふうに生きていたかった私に、トウカイトリックが見せた戦う姿勢は、
その後の私の人生に「戦ってから負けろ」という直線で突き刺さるやり方を教えてくれました。
競馬は人生だ、と誰が言ったのか忘れましたが、
競馬で生き方を知る、そんなこともあると思います。
馬のきもちさんの心にトウカイトリックがどんな姿で残ったのか、
教えてもらえた気がします。大切な思い出をどうもありがとうございます。
私の書くものを何度も読んでくださって、ありがとうございます。
あなた宛てに書いた文章を気づいてもらって、嬉しかったです。 -
馬のきもちさん
まるで私もそこにいて一緒に時を過ごしているような気分。
するめさんは、小説とか書かれている方ですか?
ぶしつけな質問すみません。リコメも感想文みたいになってしまってすみません。
これからもするめさんの日記ずっと読ませていただきます。
ずいぶんな長文になってしまいました^^;
ありがとうございました。 -
馬のきもちさん
続き
でもどういうわけか私の中にでんと居座っているのはトウカイトリックなのです。
つらいことがあると思い出すのは彼なのです。小さい体で長い距離を一生懸命走っているトウカイトリックの姿なのです。
私が実際に意識してトウカイトリックのレースを観たのはほんの数レースです。不思議です・・・
するめさんの日記を読んで何で彼がこんなにも私の気持ちをわしづかみにしたのか、その魅力がわかった気がします。
こんな私がトウカイトリックのことをあれこれ解った風に語ることも憚られますがお許しください。
この日記で失礼しますが『2月、雑草の観客になる』大好きです(←この表現で良いのか解りませんが・・・)
でもやっぱり何も言葉にできませんでした。
昭和を思わせる競馬場の風景や人間模様、2頭の地方馬との出会いの様子や中央へ挑んだ地方馬の向こう側に見える地方競馬の可能性・・・
まるで私もそこにいて一緒に時を過ごして -
馬のきもちさん
するめさんこんばんは!
もう阪神大賞典の日が来てしまいますね?
するめさんがこの日記を投稿されてから、何度この長文を読んだことでしょう。
するめさんの日記はいつも小説を読んでいるようにグイグイ惹きこまれ、何の苦も無く最後まで読んでしまいます。
そしてリコメを書こうとするのですが書き出してはやめ書き出してはやめその繰り返しで何日も過ぎてしまいました。
今回もリコメはあきらめようと思いましたがするめさんのなかでのトウカイトリックの存在の大きさや意味を知って、読み逃げ出来なくなってしまいました。以前私の日記に来て下さってトウカイトリックの写真を見てとても喜んで下さったのを思い出しました。
私もするめさんの足元にも及びませんがトウカイトリックが大好きです。競馬を知らなかった私でさえ尊敬するディープインパクト。私に競馬を知るきっかけを作ってくれた特別な存在のオルフェーブル。でもどういうわけか私 -
するめさん
トウカイトリックにこの話をしたら、彼は何ともない顔をして平然と、
「俺は走っただけだよ」って言うかもしれませんね(笑)
「俺は俺の仕事をしただけだ」って。
馬の走る姿にいろいろな思いを重ねて忘れられなくするのは、
人間の方かもしれません。
そしてまた、私たちの見ていない場所で、
彼らの本当のドラマが繰り広げられているのかもしれません。
それでも、彼らは私たちに「記念日」をくれます。
うまりん。さんの言うとおり、
キラキラとした輝きをくれるのです。
私の書いたものを、
手を抜かずじっくり読んでくださってありがとうございました。 -
うまりん。さんがいいね!と言っています。
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うまりん。さん
手を抜かないトウカイトリックに敬意を込めて
するめさんの日記も手を抜かずにじっくり読みましたよ^^
優柔不断だったするめさんは
トウカイトリックさんのこのレースによって
NO!と言える勇気をもらった記念日だったんですね。
そうして映画のような脇役もそろって素敵です。
10歳でステイヤ―ズSを勝ったトリック爺さんに
調教師は「えらい!」と誉めた。
だから私もするめさんに「えらい!」と言わせて頂きますよ。
私も記念日をもらった馬がいます。一度だけ日記に書いたけど・・
絶望の淵にいた時キラキラかっこよく強い馬でした。 -
するめさん
この事案があった時、
「逃げても良いのよ」と両親や友人や私の親しい人たちはみんな、
「働ける場所なんて他にもあるわ」と言ってくれました。
それはとても優しい言葉で、墜ちそうな崖でふらついていた私は、
その優しさを理由に掲げて、その場から逃げてしまおうとしていました。
トウカイトリックでした。
「戦え!」と言ったのは。
「戦え!」と歯を食いしばって、
「戦え!」と「戦え!」と、生き様を見せたのです。
逃げれば、誰も傷つけず「優しい」敗北がある。
でも、私は「敗北」する前に、「戦わなければならない」と思ったのです。
傷ついても、一度、「全力で」
トウカイトリックのように。
優しい言葉は私を心から思ってくれているから。
だけどわたしは、生きるという事実の前で、
優しさだけでは補えないものがあるのだと知っています。
トウカイトリックがくれたのは、その強さでした。
下へつづきます。↓ -
するめさん
おうまの親子さんが語らない行間で、
たくさんの想いをこめてくださっていること、感じています。
だから私はあなたに言うのです。
読んでくださって、ありがとうございます。
トウカイトリックは強い馬でしたね。
私は、彼の強さを知っています。
きっとおうまの親子さんも、覚えていて下さると信じています。