ルーラーシップ牡駒の活躍馬の配合について見ていたら…その傾向は実に興味深い。

ニードルズアイ（牡２）栗東・石坂正厩舎預託予定
父ルーラーシップ　母サンドミエシュ（BMS：マンハッタンカフェ）

現在、２世代走っているルーラーシップ産駒で「準ＯＰ以上」の牡馬は９頭。これが多いか？少ないか？は別の機会に譲るとして、この９頭には（ザックリではあるが）ある共通する事象が…。

・キセキ　…　母が Tourbillon のクロス（継続→緩和）
・ダンビュライト　…　母が Never Bend（その母父は Tourbillon 系）持ち
・レジェンドセラー　…　母が Never Bend 持ち、且つ Tourbillon のクロス（継続→緩和）
・ダノンディスタンス　…　母が Tourbillon のクロス（継続→緩和）
・アディラート　…　母が Never Bend 持ち、且つ Tourbillon のクロス
・ホウオウドリーム　…　母が Tourbillon の（継続）クロス
・タガノグルナ　…　母が Tourbillon のクロス（継続→緩和）
・サンリヴァル　…　母が Tourbillon のクロス（継続→緩和）
・キングズラッシュ　…　母が Never Bend 持ち

書き出すと見づらいが…。要するに、９頭中その全部が、

１．母が Never Bend（その母父は Tourbillon 系）を持っている。
２．１は持たないまでも、Tourbillon のクロスは有している。

このどちらか？と。

　…　。

ただ、よく解らないですね、自分には。ルーラーシップ自身もラストタイクーンを経由して Never Bend を内包していますが、産駒の代でこれをクロスして、果たしてそれがなにか有利に働くのか？と。強めのフィジカルを有して緩慢なストライドのルーラーシップにパワーピッチな Never Bend を引っ掛けても…

そうなると、着目するのはやはり Tourbillon 系のほうでしょうか。Never Bend を経由しているか？していないか？は別にしても、９頭全部に共通するのが Tourbillon ですから。

　…　。

Tourbillon 系と言えば思い起こすのはシンボリルドルフ〜トウカイテイオーでしょうか。そのしなやかさ柔らかさに スピードシンボリと Northern Dancer を合わせるのが当時の王道みたいな感じだったのでしょうが、案外、１周回ってそれが現在のナスキロ血脈ではなく、Tourbillon 系だったりして。

ちなみにキングカメハメハの母マンファスが Tourbillon８×６・７で、キングカメハメハが Miesque を経由してこれの継続、そしてエアグルーヴは Tourbillon を有しておらずこれを緩和、そしてルーラーシップ産駒の代で母方から Tourbillon を得て…　一応は理に適ってる。ルーラーシップが Northern Dancer の影響が強いとするならば、この異系傍流でこんなことをやっているのは配合の上では実に心地良いかと。

ルーラーシップ牡馬の場合、緩慢さがヘンなことにならないなら、マンファスを弄る形でしなやかさ柔らかさを手に入れるこの配合に注目するのは面白いかもしれませんね、この異系傍流血統で。

　…　。

しかし、なんでもかんでも Tourbillon か？と問われれば決してそういうことではなく、入り口としてはやはりサンデーサイレンスの力は借りたいし、母は非 Northern Dancer クロスでアウトのほうが良いでしょうし、実際には牝系の質は伴うし、母のキャラもある。そういったアウトラインが整う、配合のバランスが整う上で「その後」の話、ということですね。

ちなみに上のニードルズアイさん。

（下の画はニードルズアイの配合表）

母サンドミエシュは５代アウトで非 Northern Dancer クロス、Hoist the Flag と Monsun〜Konigsstuhl をそれぞれ経由して一応は Tourbillon のクロスであり、自身の母父はマンハッタンカフェで 1/8サンデーサイレンス、さらに言えば Pasadoble≒Alleged のニアリークロス（Pasadoble は Kingmambo の祖母）であり、配合のバランスは悪いとは思っていません。

本馬はどうなるか？　興味を持って将来を楽しみに待ちましょう。