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2015/05/25 23:17
オークス結果続き
上がりがディープ産駒で1番手評価だったクルミナルが
何故、逆転されるに至ったのかを池添騎手の目線から考えて見ましょう。
池添騎手のクルミナルは、カミソリのように切れ味抜群の馬です。
桜花賞では4角13番手から上がり33.4秒の脚を使って連対しています。
しかし、このレースは0.7秒負けの2着なのです。
理由は桜花賞がスローで
「前残りする馬たち VS 超高速上がりを使うディープ産駒軍団」
という構図で、前残りする馬たちの中のレッツゴードンキが逃げたのに33.5秒で上がったから
距離ロスと、位置取りの差で、優勝をさらわれたのでした。
池添騎手はどんな穴馬であっても優勝したい訳であり、2着したい訳ではないので
桜花賞の結果は悔しかったでしょう。
そして、次のオークスも緩い流れになるのは火を見るより明らかです。
しかし、馬場が違えば結果も変わります。
当日の馬場は、
1着馬
10R 逃げ (上がり33.4)
9R 4角4番手(上がり33.6)
7R 4角6番手(上がり34.0)
6R 番手 (上がり33.6)
4R 4角10番手(上がり34.7)
簡潔にまとめますと、逃げ馬であっても上がり33.4秒で走る桜花賞の再現のような馬場でした。
しかも、1着になるという事だけを見た場合、先行〜好位有利の。
※4Rは未勝利で2400mでスローであっても、このクラスの馬はバテてしまいます。
実際にラスト1Fのラップは12.2秒。勝ち馬の母父はステイゴールド。この12.2秒のバテ比べが得意な血統でした。
池添騎手としては、当日の馬場から追い込むのは、桜花賞の敗北の二の舞です。
そこで、(池添騎手もディープ産駒の切れ味タイプはスタート〜道中で動くと切れ味を失う事は熟知しているでしょうが)
エルフィンSでやったようにスタートから手綱をしごいて出して行き、
良い位置を取って、それで尚且つ、上がり33.5秒の脚を爆発させる作戦を選択しました。
しかし、今回はエルフィンSと違い17番という外枠。
エルフィンSでは2番枠だったのでコーナーも内寄りを回れて距離ロス無く速い上がりタイムに出来ましたが
オークスでは、長い距離、外を回る不利、スタートで仕掛けた分の切れ味の低下、
そういう要因が重なっての上がりタイム34.4秒止まりでした。
池添騎手としては、スタートで仕掛けて、前が残る馬場なので1番人気の先行馬の直後をピタリとマーク。
その1番人気が仕掛けた直後に離されないように一緒に仕掛けて並びに行く。
考えられる限り最高の騎乗だったと思います。
これでも勝つ可能性は低いでしょうが、追い込みに徹したのでは2着〜4着くらいの結果になるのは確定なのです。
だから1%でも勝つ可能性に賭ける勝負師の、冷静で緻密で巧みな騎乗でした。
この乗り方で生まれるクルミナルの勝ちパターンは、もっとスローペースになり
それでいて全馬が仕掛け遅れる展開です。
それならディープ産駒で一番の切れ味のクルミナルの位置が最高に有利になりますから。
更に話が脱線しますが、
クルミナルはゴール手前で、内に並んだルージュバックから激しい押圧攻撃を受けました。
苦しくなった戸崎騎手が外から来たクルミナルに馬体をぶつけに左ムチを何度も入れたからです。
私はこれを素晴らしい行為だと思います。
勝つ為に最善の手を尽くす。(ルールの範囲内では)
そういう騎手の馬券しか私は買いたくないくらいです。
戸崎騎手も優勝の為に、全力で出来うる限りの作戦・策略を実行する騎手ですね。
結果は
「ルージュバック号の騎手戸崎圭太は,決勝線手前で外側に斜行したことについて過怠金30,000円。(被害馬:17番)」
斜行を取られるというアホな裁決のジャッジが下りましたが、横移動の距離は1頭分ではありましたが
馬体が少し並んでいる状態ですから斜行ではないですね。走行妨害ではあるでしょうけど。
過怠金を取る理由としては、ムチの御法とかで軽微な取り方でないとおかしいです。
戸崎騎手は、ゴール手前の位置で馬体が少し並んでいるなら降着や失格にならないと計算尽くで行ってますし
池添騎手もそう来るかもと予測していたのでしょう。上手くダメージが一番大きい当たられ方なのに馬を御していました。
---おわり---