香港国際競走　結果分析３　（香港ヴァーズ）

無謀なハナ叩きとまで書くには理由があって、レース中盤でのハナ争いは逃げ馬と
競り掛ける馬に大きなダメージを与えます。
ビッグオレンジは自爆しに動いた訳で、これは褒められた作戦ではないですね。馬鹿です。

しかも、タフな沙田の馬場ですから、ビッグオレンジは１００％負け確定。
競り掛けられたハイランドリールも、ほぼ負け確定。（この馬は断然人気で実績も飛び抜けているので「ほぼ」とします。）
並みの馬ならこの展開で逃げ馬は最下位の可能性が高い程に不利です。



実際、ビッグオレンジは地元香港のオッズで５番人気11着。
私の本命のヘレンも先行馬ですから厳しいペースに巻き込まれて４番人気13着。
対抗アンティシペーションも先行馬ですから最下位に惨敗。

唯一、先行勢で踏ん張ったのがハイランドリールで
断然の1番人気地元オッズ単勝1.5倍で２着でした。
戦績から当たり前ですが、このメンバーではハイランドリールは本当に強いですね。

そういう私の願いとは真逆の展開ペースでしたから、１着と３着は追い込み馬。
私の予想はテンの１〜４Ｆでペースが速くてほぼ崩壊。
ビッグオレンジの動きで完全壊滅確定でした。



１〜３着馬グラフ

スピ４　スタ７　パワー５　底力９　瞬発３　1着サトノクラウン
スピ４　スタ７　パワー６　底力３　瞬発１　2着ハイランドリール
スピ６　スタ７　パワー５　底力４　瞬発２　3着ワンフットインヘヴン

オーバーペースの厳しい流れ追い込み展開では、スタミナと底力がモノを言いますから、
サトノクラウンがズドンと世界の名馬であっても先行馬を差すのは違和感ありませんが、
私が注目した部分は、サトノが内を回って差した事です。

これは私には予想できない事で、通常、グラフで底力９となると馬の我が強過ぎて細かな操縦は不可能です。
その馬をまるで自分の手足を動かす様に３〜４コーナーで狭い中を魔術師モレイラは出し入れ
したりスッと後ろへ引いたりして操ります。
勿論、馬に脚が残っているから周囲の馬より機敏に動けたのもあるのでしょうが、
これは騎手の卓越した操縦技術が出ましたね。

ここで最初にまとめた当日の馬場バイアスを考慮しますと、トラックコース部分は
全て内が良い馬場なのですから、１・２着の着差を考えてもモレイラ騎手がスタート直後から
素早く内へ入れ、３〜４角でも焦らずに最内を回り、そこまで器用な馬でも無いのに
内から他馬をすり抜けてキッチリ格上のハイランドリールを差し切った頭脳ワークと技術の勝利でした。

もしかしたらこの勝利は、誰よりも馬主さんが驚いたのかも知れませんね＾＾





因みに、ビッグオレンジに恨みが無い訳ではないですが、私は厳しいペースのハナ争いを肯定している人間なので
今回の無茶な競り掛けにも文句を言う資格は無くて、その結果、馬券はハズレましたが
凄い豪快なレースが観れたのも事実だと思います。