628件のひとこと日記があります。
2017/08/24 00:31
サートリストラム と ザビール 1 (豪州・新国の名種牡馬)
---- サートリストラム (Sir Tristram) 愛国産 1971年生 ----
競走成績:2〜4歳時に愛英仏米で走り通算成績19戦2勝2着6回3着3回
2歳時
仏 サンピエールアジフ賞(芝1800m)
3歳時
仏 ティルゲルベ賞(芝1600m)
サートリストラムの主な勝ち鞍は、特別レースのみで重賞は未勝利。
3歳時には米国へ遠征して
ケンタッキーダービーで23頭立て7番人気でキャノネイドの11着に負けているので、
かなりの期待馬だったのは間違いないが、競走馬としては3流馬だった。
そういう訳で、ニュージーランド(以降は新国と表記する)へ種牡馬として輸出されてしまう。
そして、
豪でリーディングサイアーを、6度獲得。
新でリーディングサイアーを、1度獲得している。(7度獲得という説もある)
※2000年には、当時のG1馬輩出ワールドレコードとなる45頭を記録している。
簡潔に言うと、サートリストラムはEUの競走馬としては3流だったが、豪の大種牡馬なのである。
で、そのサートリストラムの産駒がザビール。
---- ザビール (Zabeel) 新国産 1986年生 ----
競走成績:2〜4歳時に豪で走り通算成績19戦7勝2着1回
2歳時
豪 ムーニーバレーS(G2 芝1619m)
3歳時
豪 オーストラリアンギニー(G1 芝1600m)
豪 アリスタークラークS(G2 芝2040m)
4歳時
豪 クレイグリーS(G2 芝1600m)
---------------------------------------------------------------------
余談
豪は独特のレース体系をとられている。
各競馬場の開催毎に3冠レースを設けていたり、2歳の1200mに最もレースの価値を置いている。
一概には言えないが、根本的には 「 短距離レース > 中・長距離レース 」 という国なのだ。
大雑把な感覚としては、1200mに近付けばレースの格が高いと考えればいい。
1600〜2000m辺りが最も軽視されている。無論、いくつかの例外はある。
オーストラリアンギニー(G1)
サラ3歳芝1600メートル
1着賞金 450,000AUSドル
オーストラリアンダービー(G1)
サラ3歳芝2400メートル
1着賞金 1,170,000AUSドル
ゴールデンスリッパー(G1)
サラ2歳芝1200メートル
1着賞金 2,000,000AUSドル
上の3つのレースで賞金比較しても解る通り、ザビールの勝ったオーストラリアンギニーは
微妙なG1レースだ。最下層のG1ではないのだが、そんなに大きなG1でもない。
敢えて日本で例えるならば、NHKマイルC辺りに相当するだろう。
今日現在の通貨為替レートで 1豪ドル=約86円 なので、
オーストラリアンギニーの1着賞金は3870万円。
これは現在不況である豪にしては奮発している額ではあると言える。
----------------------------------------------------------------------
ザビールはG1を1つ勝っただけの1流と言うには、ちょっと物足りない程度の馬だった。
(オーストラリアンダービーは5着)
しかし、大種牡馬の父の血が成せる業か、新国で種牡馬入りすると初年度から活躍馬を輩出し続け
豪リーディング2回獲得。新リーディング4回獲得。父サートリストラム級の大種牡馬となった。
そして、ザビール産駒のサヴァビール(Savabeel)が2016年新国リーディングサイアーを獲得したり、
孫のロンロ(Lonhro)が2010-11年シーズンの豪リーディングサイアーを獲得するなど
その系統の勢いは未だに衰えていない。
つづく