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2017/09/05 19:58
サートリストラム と ザビール 3 (ムーンロケット)
これまでの話では、豪州の大種牡馬サートリストラム(Sir Tristram)と、
その仔でやはりオセアニアで大種牡馬になったザビール(Zabeel)の事を書いていました。
そして前回は、日本で走ったサートリストラム産駒ヤマニンバイタルの話でした。
今回は、日本で走ったザビール産駒 ムーンロケット の話を書きます。
豪州の重賞入着馬スカイロケットという繁殖牝馬が、
豪州のリーディングサイアーであるザビールの仔を受胎して
ノーザンファームによって輸入され2000年1月に日本で産んだのがムーンロケット。
ムーンロケットはセレクトセールで、フジキセキやジャングルポケットでお馴染みの
齋藤四方司(よもじ)オーナーが落札購入してJRAで走りました。
2歳9月に新潟のダート1200mの折り返しの新馬戦で、
1.5秒差の圧勝をしています。
しかし、、、その時の馬体重が576キロの超巨漢で脚元を壊してしまい
僅か3戦で引退に追い込まれています。
ムーンロケットは当時としては珍しい早生まれですから、実質3歳デビューと考えるべきでしょうけれど
(この馬の場合は新国で種付けされたとしたら超遅生まれという事になるのかな?)
しつこいですが私の持論は、巨漢馬にはデビューまでにはまだ時間的な猶予が足りないと考えます。
それは兎も角として、能力の底は見せないまま屈腱炎で引退となりました。
しかし、その血統を見込まれて、今ではハナズゴールのオーナーで有名な豪州人の
マイケル・タバートがノーザンファームからムーンロケットの権利を譲り受けて
豪州で種牡馬入りする事となりました。
結局、種牡馬としては豪州で3世代を残しただけで早世したためにG1馬は輩出していませんが
そこそこの馬は出したようです。
因みに、
サートリストラム系の話とは関係ありませんが、
ムーンロケットの1つ年下の半弟がG2弥生賞3着したメテオバーストです。
更に下の半妹がガーデンパラダイスというクロフネ産駒で生涯1戦のみ。
その1戦は、3歳9月の未勝利でデビューして馬体重は564キロ。
(3歳9月でも早かったと私は考えます)
ちゃんと競走生活を全う出来た半弟メテオバーストの馬体重はデビュー時で476キロ。
父が馬格が小さく出易いサンデーサイレンスでしたから、その違いでしょうね。
ムーンロケットの話には、まだ続きがあります。
ハナズの冠号オーナーのマイケル・タバートが、ムーンロケット産駒の繁殖牝馬を日本に持ち込んでいます。
ムーンライトゼファー Moonlight Zephyr [豪] (牝 2004 鹿毛 父ムーンロケット)
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|-- ハナズドリーム (牡 2011 鹿毛 父ハーツクライ)
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|-- ハナズレジェンド (牡 2013 栗毛 父ハーツクライ) 3勝、中央現役
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|-- ムーンライトゼファーの2014 (牡 2014 青鹿毛 父ヴィクトワールピサ)
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`-- ムーンライトゼファーの2016 (牡 2016 青毛 父ヴィクトワールピサ)
ムーンライトゼファーは現役時17戦未勝利のようなので、そこまで繁殖としての期待は出来ないでしょうけど
産駒は母父ザビール、母父父サートリストラム、ということになるので
豪州の芝中距離らしい、普段よりもちょっと時計が掛かるようなタフな馬場で
パワーとスピードを発揮する可能性が高いと想像が付きますね。
或いは、父の配合によってはダート巧者の可能性もアリでしょう。
つづく