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2014/08/06 00:12
優等生の弱点 (闘志5)
アメリカ系の闘志を持ったスピード馬を褒めすぎたので、持ち上げた後ですが、突然、落とす話を。
光があれば必ず影ができるように、得意なものがあれば、その逆は不得意です。
得意な度合いが強くなれば、なっただけ、逆の事も不得意度が強くなるようです。
アメリカ系馬は、レースの中でも、特にスタートが大得意なのでした。
すると、その逆に当たるゴール前は不得意になるでしょう。
闘志のある馬ですから、不得意というより、ゴール前は嫌いでしょうね。
そもそも逃げ馬なのだから、上がりが苦手なのは当たり前に思われるかも知れないですが、
逃げ馬であっても上がりが苦手でない馬もいます。(多くはないですが)
逃げ馬でも上がりが苦手でないという事は、結構、上のクラスでも活躍出来る事が多いですから、お馴染みの馬が多いです。
今年の高松宮記念を優勝したコパノリチャードなんかは、逃げ馬でもゴール前を嫌いでない馬です。
そもそもコパノリチャードは、父ダイワメジャー、母父トニービンなので、
アメリカ系でないので、闘志がエイシントップよりは少ないです。
(それでも日本馬としてはかなりの闘志ですが)
それが、逃げ馬なのに上がりを嫌いでない要因の1つでしょうね。
エイシントップとコパノリチャードは、同世代なので、NHKマイルCとスワンSと高松宮記念で対戦しています。
NHKマイルCでは、コパノリチャードは発馬の一歩目で躓いたのか、前のめりになってしまいます。
(この事からも、コパノはスタートに生き甲斐を感じていない馬だと分かります)
この時点では、ほんの僅かにエーシントップが前にいるようにも見えますが、
コパノリチャードは9番枠。エーシントップは15番枠で、枠順を活かしてコパノリチャードが逃げました。
スワンSでは、休み明けのせいでエーシントップはレース感が薄くなり、馬がボケていたので、煽ったスタートで大きく出遅れ。
そのお陰もあってコパノリチャードは、他馬が控えてくれた幸運もあり、楽逃げで1着でした。
そして、高松宮記念では、1200mという距離もあって両馬ともスタートから騎手が押していきます。
遂に本当のスタート勝負になりました。
ハナ争いは、大外枠でもエーシントップの勝ち。
コパノは1F目では4番手辺りでした。この馬の場合1200mG1では、こんなものでしょう。
しかし、独走大勢で最後の直線に向いたエーシントップは、あっさりコパノに差され
それでも2着はあるだろうという大勢だったのにゴール前で急に失速して、4着にまで落ちました。
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2014年 高松宮記念(G1)
通過 上がりタイム
1着コパノリチャード 2-2 37.2
4着エーシントップ 1-1 38.4
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日本の芝コースでのレース後半では、切れ味勝負になります。
エーシントップの様な、闘志のあるスピード馬は、スタートでハナに立ち快感を得ますが、
スタートに全力を注ぎ過ぎるので、切れ味なんて残っていません。
だから古馬G1などでは捕まる結果になりがちです。
(今年の高松宮記念は、不良馬場だったので切れ味勝負にはならずに、4着にはなれましたが)
スタートで快感を得る事は、結果的に、ゴール前で余力を失う原因になり、
レース後半に差されて苦手意識を持つようになると、闘志の悪い側面が出て、ゴール前が嫌いになってまいます。
従って、アメリカ系の馬は、ゴール前が嫌いになってしまうまでは、凄く安定していて、
ゴール前が嫌いになった後は、滅多に好走しません。
(切れ味が完全に封殺される馬場や展開になった場合などに好走します)
エーシントップ
トキオパーフェクト
ゴスホークケン
などの生涯戦績を見てもらえれば、ゴール前が嫌いになる前と、後では別の馬なのが分かって貰えると思います。
アグネスワールド
ブラックホーク
こっちの2頭は、そもそもの競走能力が当時の内国産馬より数段上だったので、先に挙げた3頭とは違います。
しかし、G1を勝つ時は、必ず切れ味を殺す馬場か展開の時でした。
日本の芝レースは、道中は掛からないように抑えて、終いの上がり勝負が主流ですから
本質的に、アメリカ系の外国産馬は、日本の芝競走が合っていないと言えるでしょう。
---つづく---