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2014/08/06 20:00

スタートで煽る馬  (闘志6)

次はスタートで煽る馬です。

煽るにも色々な種類や度合いがありますが、私が煽ったスタートとしたいのは
大袈裟に言うと、ゲートから上へ飛び上がる様に発馬してしまう状態です。

躓き加減のスタートや、普通の体勢で発馬したけれど行き脚が遅いせいで後方からになる馬ではないです。
他馬より、一歩目が既に立ち遅れている感じですね。

この手の煽る馬というのは、そもそも競走で不利なので、その癖を直さない限り出世できないのが普通です。
気性難のせいで大成できないなんて、よくある話でしょう。
しかし、それでは実例として困る部分もあるので、今回は、ある程度の実力を担保する為に
ダービーで煽ったスタートをした馬を探しました。

2012年のダービーで煽ったスタートをしたスピルバーグを実例として考えてみましょう。
この馬は、

父ディープインパクト(1600mベスト)
母はLycius×Sadler's Wellsの配合(2000mベスト)

スタミナ馬というより中距離系でしょう。そこはステイゴールド産駒とは違いますね。
それでも都合の良い事に、スピルバーグは、父からステイゴールド産駒以上に上がり3Fの決め手を持っていますから、これから書く解説には向いています。


スピルバーグ   父ディープインパクト  母父Lycius

日付     レース名        
2012/05/27 東京優駿(G1)        14着
2013/08/11 日高特別(1000万下)      6着
2013/10/13 神奈川新聞杯(1000万下)    1着
2013/11/10 ノベンバーS(1600万下)    1着
2014/05/24 メイS(OP)          1着

スピルバーグの、ダービー以降の戦績を見ていきましょう。
ダービーで怪我でもしたのか、1年以上休養を挟んでの、1000万条件からの使い出し。
そこを6着に負けるのは、レース感や仕上がり的にも、OP勝ち実績馬とは言え仕方ないでしょう。
叩き2走目の神奈川新聞杯は、アッサリ1着。
これは全ての条件が合ったし、相手も弱かったのでしょうね。
そもそもディープインパクト産駒は東京芝1800mなどの、普通の条件が最適でしょうから
適性面でも常に大きなアドバンテージがあるので、他種牡馬よりも恵まれています。
これが、ステイゴール産駒だったら、もう少し勝ち上がりにモタつくでしょうし、
もっとマイナーなスタミナタイプの種牡馬なら、たとえ闘志と実績があったとしても、
永久に1000万クラスで惜しい競馬を続ける事にだってなりかねません。

それは兎も角、スピルバーグは休み明け1戦目でレース感を取り戻して、
次のレースでは、適性と能力と闘志も相まって勝ちました。
普通のスタートから騎手が押して先行したというのはありますが、
それでも先行して勝ったというのもあって、いよいよスピルバーグは勢いに乗ります。
次のノベンバーSでは、直線かなり進路が厳しくなりながらも1着。
その次のメイSでは、直線大外一気を決めます。

この様に闘志がある馬は、一度歯車が噛み合うと、やる事なす事全て良い方向へ向かうという特徴があります。
(逆に、一度歯車が狂いだすと、どうしようもなくチグハグなレースを繰り返すという特徴も抱えますが。)
その理由は、前にも書いたように、なにかに楽しみを覚えると真剣に打ち込めるという闘志の性質が、そうさせるからです。
今回のスピルバーグの場合は、私が想像するに「おっ、楽に勝てる!」と感じて勝つ事に快感を覚えたのでしょう。
闘志のある馬にとって、最後の直線を通過する時に他馬を引き放してゴールするのは、爽快な気分の筈ですから。

しかし、そんな爽快感も上のクラスでは得られる可能性は低いです。
自分と同じ実力馬が揃う重賞で負けたら、スピルバーグは、また空回りし始めるかもしれないですね。

---つづく---

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