孫市和尚と家庭料理（闘神雑賀孫市和尚）

自分のお袋は昔は派手に商売をやっていてあまり家に居なかった

だから、家庭料理の味ってものは自分は知らなかった

初めて、家庭料理の味を知ったのは田畑シマって子が作ってくれたホットドッグだ

自分が２回目の高２でシマちゃんが中３の時だったかな

シマちゃんの兄貴の田畑君とは同じバンドのメンバーだったから学校の帰りによく家にお邪魔させてもらってた

シマちゃんは兄貴の田畑君とは全然、顔が似てなくて少し小麦色の丸顔で可愛い女の子だった

よくよく考えれば宮本ミカも竹元も田畑シマちゃんも皆、同じ年齢だったな

自分は寅年生まれの女の子と縁があるんだろう

しかし、生まれて初めての手料理のホットドッグの味はマズかったがそれまでの人生の中で一番美味しかった

心ってもんがこんなに美味しいとは夢にも思わなかった

自分は、シマちゃんのホットドッグを食べた時に決めたな

この子と結婚しようとね

自分の付き合った女の子は他の女の子とは何か違うものを持ってた

石関トモミは綺麗で賢くて優しい

宮本ミカは豪快で太っ腹な心の広い親分肌

田畑シマちゃんは何故かほっておけない可愛さと守ってあげたくなる何かを持っていた

自分は、遊び人に見えるらしいが本当に女心が解らない不器用な人間だ

男は軽々しく女に手をつけるものではないと考えていたから殆ど付き合った女と深い繋がりは無かった

この風貌では考えられない程、女ってもんを知らない

自分の中に死ぬ気で生涯懸けて守る気になれる女にしか手をつけてはいけないって考えがあった

だから、付き合った女の子の数は多いが手をつけたのはほんの数人だ

自分も、安売りしたくなかったし付き合った女の子にも恥をかかせたくなかった

今、思えばこれで良かったと自分では信じている

ヤレる女なら誰でもいく生き方を自分が歩んでたら今の自分は無かったはずだ

あの、田畑シマちゃんのホットドッグのお陰で44のオイヤンになっても昔の考えのままだ

自分は、今まで付き合ってきた女の子達に心を支えてもらって生きてこれた

本当に、男冥利に尽きる幸せな奴だと思っています

今は、和歌山にムチャクチャにされてるけどもう一度は勝負して勝ち残りたい

頑張らねば

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