凱旋門賞

近年の凱旋門賞はダンジグ・サドラー系血脈馬を購入するだけで容易。言うなれば、少し前のSS黎明期の日本でSS系馬を買えば順当みたいなもの。

と言っても今年の凱旋門賞は、異端血統と言えるクロノとボンドの日本馬以外は全馬が、ダンジグ・サドラー系血脈馬でしたから、簡単とは言い切れません。

よって前々から既に、同様に異端血統のミシュリフの凱旋門賞を回避するであろうことは想像に難くなかった。日本陣営と違い、ミシュリフ陣営はクレバーである。このような考え方の相違点が既に、勝ち負けを左右する。

日本陣営は、SS系ゴリ押しなだけで郷に入りては容易に通用する道理がない。ただでさえ、SS系隆盛のため日本におけるダンジグ・サドラー系血脈馬は多くはないですし、凱旋門賞で活躍出来ないのは半ば必然。

ダンジグ・サドラー系の両血脈を持ち得た馬ともなれば種牡馬モーリスに代表されるが、ほんの一握りに過ぎない。

日本馬がやがて凱旋門を取るとしたら、エピファネイアに代表されるシーザリオ系血脈馬や、モーリス系などのダンジグ・サドラー系血脈馬である可能性も高いことは想像に難くない。

それだけでなく日本に根付きつつあるハービンやウォーフロント系、またはそれ以外のダンジグ・サドラー系血脈馬も含まれます。

いずれにせよ、ダンジグ・サドラー系血脈馬でなければほぼほぼ凱旋門賞は取れない。


もはやダンジグ・サドラー系血脈馬は凱旋門賞血統と言えると思いますので、私的にはそう呼んでいます。
その黎明期が、モンジュー(とエルコンの死闘)の凱旋門賞1999。

それ以来ダンジグ・サドラー系血脈馬以外の異端血統馬が凱旋門賞を制するのは至難になりました。

最後の優勝がザルカヴァの2008、それ以後はずっとダンジグ・ サドラー系血脈馬の無双。異端のザルカヴァでさえ、単なる異端ではなく、ザルカヴァは生涯無敗牝馬という真の強さに裏付けられた勝利でした。それくらい凱旋門賞を異端馬で勝つことは難しい。

同じく異端のオルフェは、連続2着をもって、大器であることの片鱗を見せつけ、欧州に絶大な影響を及ぼしました。


日本もやがて凱旋門を取る日が来ると信じてはいますが、それはやはりSS系血脈馬と融合したダンジグ・サドラー系血脈馬だとも信じています。

逆に言えば、日本は異端血統馬ばかりを毎年延々と懲りもせずに送り込んでいるわけですから、間違ったことをし続けては勝てる理由がありません。

日本で言うなれば、それこそSS黎明期の日本のG1で、SS系馬にまみれてそれ以外の産駒で優勝を目指すくらい、凱旋門賞勝利への壁が高いです。

とりわけ、そんな中でも、かのオペラオーは、グランドスラム達成ですから、ことサドラー系の脅威を象徴しています。

凱旋門賞血統馬にまみれて、クロノはへこたれた訳ではなく普通またはそれ以上に健闘しました。ただ、他馬がそれ以上に弾けただけで、凱旋門賞血統馬と異端馬ではそもそも普通のレベルからして違うからです。

と言うのも、残200mから本領発揮スパートするのがサドラー系血脈の破壊力(セントレジャーのようなロングディスタンスになるほどそれが顕著になります)、

さらにそれらを時に一蹴覆すのがダンジグ系血脈の底力、といった特徴だからです。かつてのダンジグ系血脈馬フェスタの2着もそれを物語っています。
それだけでなく、フェスタは日本馬史上最も1着に近づいた馬ですしそれを象徴しています。

クロノは残200mからのスパートが全く感じられなかったのもそれらを象徴していますが、実際はクロノも伸びています。そこを履き違えてはいけないと思います。

一方、辛辣だけど、むしろボンドのシンガリは、あの四面楚歌の中では順当だよね、と言えるほど想像に難くなかったです。
国内でさえ、ボンドがクロノに先着するとは思えないし、凱旋門賞において同じ異端血統馬同士としてボンドがクロノより好走するとは思えなかったです。

凱旋門賞馬バゴの血は少なくとも、クロノに加勢はしたはずです。それがクロノとボンドどの着差をより大きくしたとも思います。

それだけクロノは強いなということが浮き彫りになりました。

あと、ボンドは菊に象徴されるように、個人的にはステイヤーではないG2レベル馬と見ています。なので来春G1の春天では厳しいと思います。今年の菊花賞馬もさらに台頭してきますし、あまりにも過信してる方は禁物かと。

ボンドは中距離~クラシックディスタンスでも決め手に欠けるし、仮にG1を奪取出来るとしたら、戦績からも恐らく宝塚がベストマッチだろう。