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2013/05/23 14:41
ダービーへようこそ!!その3
【ロゴタイプ】
「超回復」田中剛師がその言葉を口にしたのは朝日杯FSの追い切り時でのコメントの時だった。
超回復とはトレーニングなどにより筋力が負荷を受け傷ついた筋肉組織がその回復を行う際、同様の負荷を与えられても大丈夫な様に以前の筋力より強固な筋力が備わる事を言う。
強固な筋力、体力はハードなトレーニングだけではつける事はできない。破壊された筋肉組織が組み立てられるのは運動時ではなく体を休息させている時だからだ。だから休養するタイミングやその期間こそが重要になってくる。
ロゴタイプは6月のデビューから9月の札幌2歳Sまでの間、パワーのいる函館・札幌の洋芝コースで4戦ものレースをこなしてきた。滞在競馬にも関わらず大きく馬体重を減らす事もあったのだから心身ともに辛かったのだろう。しかしその北海道から11月のベゴニア賞までの休養でロゴタイプは別馬の如く逞しくなった。
田中剛師はこれを指して「超回復」と言ったのだ。
超回復というのはどの馬でも出来るものではない。やはり限界に近い負荷に耐えるだけの生命力、そしてその馬に合った休養のタイミングと期間。その後のトレーニング。それこそ馬の資質、人智、…そして運。それらが全てのタイミングでパーフェクトに合致しなければダービーを狙える馬の凄まじい生命力を引き出す超回復というのは引き出せない。
ロゴタイプはベゴニア賞を含めいずれも速いタイムでレースを勝ってきた。さすがに皐月賞の後は疲れたのではないか?そういう心配はある。しかしこの辺でへばっている様な馬であれば古馬でもハードなマイル戦1分33秒台走破を2度もしてしまった朝日杯後にへばっていただろう。
超回復のみならず真の強さ、逞しさを得るというのは本来、危険と隣り合わせ。表裏一体のはずである。いばらの道を走り抜けた先に真の栄光があるのであればこういうリスクを越えた者こそダービーを勝つ力が備わってくるはず。
皐月賞を「いいトレーニングになったはず」と言い放った田中剛師には死線を乗り越えた者だけが持つ絶対的な自信を感じずには入られない。