競輪
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2014/12/27 10:11
1977年 有馬記念 �� 【競馬史上最高のレース】 その２
テンポイントはスタートをいつも通り、真っ先に飛び出した。
しかしスタートの出のスピードはテンポイントに遅れても二の足の速さはトウショウボーイは当代一だったから、あっという間にハナを奪い返した。そして彼は（武邦彦は）すぐに一馬身以上の差をつけられると思っていた。
宝塚記念から馬体改造をして二の足の加速力の筋肉UPを図ったテンポイントの鹿戸はしごいてしごいてトウショウボーイに喰らいついていった。
テンポイントに並びかけられた武邦彦は驚いただろうと思う。
しかし当時名人と言われた彼は冷静でテンポイントと並走し、彼の得意な戦法で最初の三コーナーに入る。
テンポイントを操る鹿戸はそんなことは承知の助で内に潜らず、斜め後ろから追走した。
最初の正面スタンド前を過ぎて漸く鹿戸はテンポイントをラチ沿いに誘導するが、それは武邦の罠にはまったわけではない。あくまでテンポイントに走りやすいコースをとっただけと思う。
二コーナーを過ぎてテンポイントはトウショウボーイにラチ沿いから並びかける。
武邦彦はその時、テンポイントの成長を心底恐れ、マイペースの逃げではないガチンコ勝負に出る。
この二頭の競り合いをアナウンサーは共倒れになると心配していたが、テンポイントやトウショウボーイのファンは殆ど全て、限界一歩手前の攻防と判っていた。
やはり流石の武邦彦だった。最後の瞬発力は残した騎乗だった。それが残り200のトウショウボーイの粘りにつながり、このレースの駆け引きを始め伝説のレースと言われる由である。
グリーングラス騎乗の嶋田はその鬼気迫る二頭の競り合いを見て、『まだこの二頭は余力がある。今とりつかなければ…』と考え、向こう正面で早々に三番手に上がる。
勝負どころの三、四コーナーは目前に迫っていた。
- テンポイント
- スピード
- トウショウボーイ
- グリーングラス
