ジェンティル初仔の血統ウンチク。

ジェンティルドンナの初年度のお相手がキングカメハメハに決定したとのこと。
もう一頭の候補としてハービンジャーの名前も挙がっていましたが、
まず初年度はキンカメが選ばれたそうです。

率直な感想は、とりあえず無難に走りそうな方を選択したのかな、と。
なんとなく丈夫な仔が出そうです。

活躍距離はどうなりますかね。
今日はその辺を血統的に考察してみます。

キンカメ産駒はロードカナロアのようなスプリンターも多いですが、
トゥザワールドの兄弟などのように折り合いがつけばそれなりに距離は持ちます。
気性以外の、身体的な適性だと配合相手次第の部分が大きいですかね。

とするとジェンティルはどうでしょうか。

競走成績は中長距離、むしろ2400が主戦場だったり、
どスローとは言え有馬記念を勝っていますので、一見するとスタミナ型の印象です。

オークスや３歳時のジャパンＣのタイムを見れば分かるように
キレが身上のマイラーが操縦性の良さで誤魔化していたタイプではないでしょう。
少なくとも競走能力のピークと思われる３歳秋までは。
(ちなみにブエナビスタやウォッカはこのタイプだと言うのが個人的な見解。
ドバイＳＣが発表されたハープスターも勝てばこのタイプになるのかなぁと思ったり。)

ただ、血統的な観点から見るとジェンティルはマイルから2000までが
本来の距離だったのではとも思われます。

まず父のディープインパクトの血統から見てみます。

この母ウインドインハーヘアは、重厚なスタミナ型のドイツ血統らしい牝馬です。

ドイツ競馬を象徴するようなスタミナの権化とも言えるような血が散りばめられていて、
そこにサンデーサイレンスが入って爆発的な化学反応を起こして誕生したのが
ディープインパクトという怪物です。

しかし、そんな血統や競走成績とは裏腹に、産駒のほとんどが中距離馬です。

むしろ乗り難しい馬も多いからかマイルがベストなのかも知れません。
実際、ジェンティルの全姉ドナウブルーはマイラーですし。

で、ジェンティルの母系はと言いますと、こちらは欧州系のスプリント血統です。
ドナブリーニもウインドインハーヘア同様に欧州らしい重厚な血統の牝馬ですが、
タイプとしてはバリバリのスピード型です。

そんな母を持つディープ産駒ですから、ジェンティルは血統的には
本来マイル寄りの中距離馬だったようにも思えます。

デビュー時からオラオラ系の豪腕騎手が主に手綱を取っていたので、
気難しさが出ることなく成長したお陰で適性距離が長くなった部分もあるかも知れません。

例えば京都記念でぶっ飛ばした福永辺りが主戦だったら
危なっかしいマイラーに育っていた可能性もあります。

と、まあそんな血統背景のジェンティルとキンカメの仔ですが、
個人的な結論としては、母ジェンティルと同じようなタイプになるように思います。
クラシックを意識できるような中距離型ではないでしょうか。

ディープが母父としてどう出るかにもよりますが、
ジェンティルの母系に入っているリファールが効いてくれば
トゥザワールドの兄弟のようにある程度長い距離も持つように思います。

結局は気性次第のように思いますが、どうあれクラシック視野に入れた
楽しみな産駒が出そうですね。

キンカメ×ディープ、金子ブランドの配合ですが、恐らくサンデーＲでの募集でしょうね。
金子さん含め、個人の手には渡らないかと。

まあどちらにしても私には縁のない話ですわ。

ちなみにハービンジャーだったらどうでしょう。

なんとなく長距離型の産駒が出そうなイメージがあって、
個人的にはこちらの方が楽しみでした。

ただ、ハービンジャー産駒がまだまだ未知数な部分が大きいですから、
すでに結果が出ている自家製のキンカメから入りたいという生産者の心情は
理解に難くありません。

あとダンチヒのクロスが強烈なので、意外とスピードが勝つかも知れませんし、
気性や体質に難が出るかもという懸念もありますかね。
実際、ハービンジャー自身に加え、デビューした産駒たちもリタイア続出ですし。

さて繰り返しますが、結論は楽しみだ、と当たり前の話でしかありません。

こんな分かるような分からんようなチラ裏を、
本日は長々とお読みいただきまことにありがとうございました。
（いつもそうですが。）

それでは皆さん、１年後の産駒誕生、
そして、３年半後のデビューをお楽しみに！