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66件のひとこと日記があります。

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2016/01/21 22:18

ソエについて、その2

友だちにソエは競走馬にとって命取りになるかもしれない《蹄の病気》だよと、メッセージで書いたのですが、これには異論が当然にあるかと思っていたのですが、、、。これは私独自の持論なんです。先にも書いた馬術界と競馬界のお馬に対する違いです。馬術界で馬学を学んだ人ならソエは管骨の炎症だから蹄の病気ではないでしょうと、私も馬術界出なもんでそう思います。しかし、長く競馬界でお馬さんを見てきて馬術界との大きな差に気がついたんです。それは速さを競う世界といわゆる馬の術を競う世界の決定的な違いですが、馬術界ではお馬に対する坂路とかの過酷な調教は無いですよね。しかも、競馬界では、それをまだ成長過程の若駒(当歳)から、引退が余儀なくなる8歳、9歳まで遠々に行われるわけです。
話しが横道に逸れますが、蹄は馬の命、蹄無ければ馬なしと言われる重要な部分で、足偏に帝と書くくらいですから、神が宿っている場所と言っても良いでしょう。ですから、この蹄の部分に起きる病気、損徴を含めて、もっとも注意観察を怠ってはいけない部位ということになります。そこで、この蹄とはどの部分を言うのかですが、恐らく多くの競馬ファンはひづめと言う位だからあの硬い爪の部分だけと思うでしょうが、私が学んだ馬学では次のように記されています。

 蹄ハ骨部、知覚部、弾力部、角質部ノ四部ヨリ成ル
 骨部ハ蹄ノ基礎ヲ為スモノニシテ人体ニ於ケル中指骨ノ端末ニ相当ス
 知覚部ハ多数ノ血管及神経ヲ包含シ蹄ノ知覚及栄養ヲ営ム
 弾力部ハ蹄軟骨ヨリ成リ弾力性ニ富ミ蹄ヲ以テ直接地面ニ接スルニ必用欠クベカラザルモノ ナリ
 角質部ハ蹄ノ外函ヲ為シ内部ノ諸器官ヲ保護シ蹄壁、蹄支、蹄底及蹄叉ニ分ツ

即ち、相当な広範囲ですね。ここで言う骨部は第三指骨で、第二指骨、第一指骨と順に上に繋がってソエの起きる管に繋がります。見た目でいうところの向こう脛です。その裏側が屈腱で、競走馬に多いソエは管の炎症、その裏側の腱の炎症が屈腱炎です。屈腱炎はまさに競走馬にとっては命取り、治療は難しいと言われていますし、ソエが悪化して屈腱炎を起こす可能性は大いにあると言います。
そのいずれも過酷な調教から起きる病気でしょう。馬術界ではそう頻繁に起きる病気ではないと思います。ですから、足に神が宿る場所は競馬界では管、屈腱を含めた範囲を、私は蹄と解釈しています。更に言えば、ヒヅメと訓読みするからどうしても爪を連想するのだろうから、テイと音読みしています。
更に更に言えば、蹄の字はお馬さんだけに使って欲しいと願っています。他の哺乳類の鹿や牛や象は爪で良いのでは、とても神が宿っている場所には、失礼ながら思えないのです。
お馬さんは、私にとっての守り神です。馬術界、競馬界の区別無しにです。

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  • ダビスタ牧場厩務員さん

    分かり易い説明は勉強になります。ありがとうございます。屈腱炎とかソエというのは、競走馬の宿命でもありますね。

    2016/01/22 00:50 ブロック

  • ダビスタ牧場厩務員さん

    私は、牧場の仕事や厩舎などの競馬関係者でないので、きんちゃんさんのように馬の身体のことや病気のことを詳しく知っているわけではありません。一言申しますと、私にあまり期待されても困ります。

    2016/01/22 00:35 ブロック

  • ダビスタ牧場厩務員さん

    今はきんちゃんさんの意見に異論はありません。特に大事なのは、重症になると骨瘤が目立って来ると怖いようです。

    2016/01/22 00:20 ブロック

  • ダビスタ牧場厩務員さん

    ネットで調べました。管骨骨膜炎のこと。調教初期の若馬に多く見られる。骨が完全に化骨していない若馬に強い調教を行うと、管骨(第3中手骨)の前面で炎症を起こすことがある。初期であれば運動を軽くして、患部を冷却することにより治癒するが、重症になると腫れ、骨瘤状となり激しい疼痛、跛行を伴う。さらに重度となると骨瘤部に亀裂骨折(皿状骨折)を発症することもある。

    2016/01/22 00:17 ブロック