シャイで小心者

中学時代クラスメイトがよく、エロ本を学校に持参していた・・・・
それをみんなでむさぼるように見てみんなで興奮していた若き日の思い出・・・・

俺はエロ本というものを持ってなかった・・・・・
友人は本屋で購入しているらしかったが、そんな行為はシャイな俺には到底真似できない・・・

ある日、自宅付近にエロ本の自動販売機があるのを発見してしまった俺・・・・
ジュースやたばこの自販機と並んでおいてあるのだが、毎日ジュースをそこで買うフリをして エロ本の自販機を物色していた・・・・・・

立ち止まってまじまじと見るのは怪しいので、毎日、ジュースを買う時、ちらっと横目でエロ自販機を のぞいていた（それもそれで十分あやしいのだが・・・）

何日かの調査の結果、その自販機には１０００円から３０００円までのものがあり、 合計８種類あるということが判明した。

本の表紙も、だいたいチェックが終った・・・・

しかし・・・・

２５００円と３０００円のものには自販機のガラスにフィルムが貼ってあり、 表紙がよく見えなくなっている・・・・・

俺はそのふたつがめっちゃ気になっていた・・・・
気になって気になって仕方がなかった・・・・・

ある日俺はついに意を決して、２５００円のモノを買おうと決めた・・・

毎日の昼飯のパン代を毎日１００円ずつちょろまかして貯めたお金がついに ２５００円に到達したのだ・・・・

作戦は次の日の深夜２時に決行された・・・・・

親を起こさないように、へそくりをオルゴールの中の隠し場所から取り出す・・・・

全部１００円玉だったのだが、 その日の昼間、近所のセブンイレブンで１０００円札に両替しておいた・・・

エロ本の自販機で１００円玉を２５枚も入れているのは耐えられない・・・・

深夜・・・玄関のドアをそっと開けて出ていく俺・・・

いつもの道・・・・・自販機までの１００メートル・・・・・・

心臓の音が高鳴る・・・・・

生まれて初めて俺は・・・・・・・・

エロ本を買う！！ついに買うのだ・・・

あこがれのエロ本がもうすぐ手に入るのだ・・・・・

自販機の明かりがまぶしい・・・・

俺はエロ本の自販機の前に立った・・・・

人の気配は無い・・・・・

１０００円札を入れる・・・・・

ウイ〜〜ン・・・・・・１０００円札が飲みこまれていく・・・

もう１枚１０００円札を入れる・・・・

ウイ〜〜ン・・・・・・　ウイ〜〜〜ン

あれ？？

１０００円札が戻ってきやがった・・・・

予期せぬトラブル発生だ！！

俺は、５００円玉５枚にしとけばよかったと後悔した・・・

慌てて１０００円のシワを伸ばしてもう一度入れる・・・・・

ウイ〜〜ン・・・・

よし！入った！

５００円を入れる・・・・よし、２５００円投入完了！

すかさずボタンを押す・・・・・・

「ピ〜〜〜〜〜」

ヾ(>y<;)／　　うわぁぁ

なんだこのブザーみたいな音は・・・・・

静寂なこの場所に響き渡るブザー・・・・

俺は危うく逃げ出してしまいそうだった・・・・・

しかし、次の瞬間・・・・・

ガシャン！

ブツが落ちてきた！！

やった〜〜〜・・・

ついに・・・・任務完了だ！！

俺は急いでブツを取り出す・・・・・

（￣□￣；））！！（￣□￣；）））！！（￣□￣；））））！！

こ・・・これは・・・・・！？

エロ本じゃなくてエロビデオじゃないか・・・・・・！

ここは本だけじゃなくビデオも売っていたのか・・・・

誤算だった・・・・・

当時、俺の家にはビデオデッキが無い・・・・・

俺は放心状態になりながら家へ帰り、布団に倒れこんだ・・・・

悪夢だ・・・・・これはきっと悪夢だ・・・・・

そう思いたかったが、これはれっきとした現実だった・・・・

まさか友人宅にビデオ持っていってみせてもらうというような行為ができるほど 俺は大人ではない・・・・・・

ビデオは俺が就職してビデオデッキを買うまで 、俺のおもちゃ箱（アルバムや文集の入った思い出箱）の中で眠ることになった・・・・

４年後、俺はビデオの封を開けてそのビデオを見るのだが・・・・

その頃にはもうヘアヌード当たり前の時代になっており、たいした事はないビデオになっていた・・・

とても・・・・とても虚しい・・・・タイムカプセルだった・・・・