推し

「なるべくあやみんにLINE送るの我慢してるんだよ」
『えっ？どうしてですか？』
「だって毎日LINE送ると迷惑でしょ？」
『迷惑ではないんですけど〜・・何て返事していいか困っちゃいます』
「え？？迷惑じゃないの？そんなこと言ったらいっぱい送っちゃうよ？」

『井角さん・・・私なりに分析してみたんですが・・・
井角さんが私を好きって言ってるのはきっと今だけのブームだと思うんです。
すぐに鎮静化すると思いますよ。
もしくは、ペットとか動物とかみたいな感覚なんじゃないですか？』

む・・・前に、ネコっぽいな・・って確かに思った

『あやみんって呼び方もそうですけど井角さんにとっての私って、推しメンみたいなものなんですよ。』

あながち間違っていないかもしれない。

「１年あやみん見てきて好きになったわけだから、一時的な炎上じゃなくて、炭火みたいに燃え続けると思うよ
でも、ガチで告白したらガチで返さなきゃいけないからさ、困るでしょ？だからそんなことしないから安心してね」

『井角先生のこと、とってもいい方だと思ってますし、凄く尊敬してますよ。だけど・・・』

「わかってる！それ以上言うな！あやみんの言うように推しメンってことで俺は十分だよ。ガンガン推していくんでよろしくね。」

『先生は立派な人だから私みたいな変な女なんかよりもっと・・・』

「わかったからもう言うなって！そろそろ泣くぞ！」

推しメンか・・・傷つけないように遠ざけようとする彼女の優しさが、切なさを倍増させる。