競輪
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2014/09/25 03:57
惜敗の師 二ノ宮師編��
エルコンドルパサーの凱旋門賞から15年が過ぎた今でも、二ノ宮師は‘‘あの馬’’の姿をよく覚えているという。
「エルコンドルが併せ馬で凱旋門賞の最終追い切りを終えた帰り道に、次の調教の馬がきたんだよ。こっちは強く追ったんだけど、その馬は1頭で、リラックスして、浮いているような走りをしていた。うーんと思った。その馬こそが、モンジューだったんだよ」
最内枠という不運に加えて3頭立てで逃げざるを得なかったフォア賞の影響、そして史上最悪と言われた馬場状態…。アウェーの戦いを強いられたエルコンドルは、ゴール寸前でモンジューに1/2馬身かわされた。その瞬間、二ノ宮師の胸に去来した思いとは。
「力を抜いて、その土地になじまなければいけなかったんだ。助手時代の菊花賞がそうだったんだけど、アウェーの戦いは緊張する。緊張すると、すごく調教が強くなる。でも、それでは駄目だったんだ。僕たちはエルコンドルで勝とう勝とうと思い過ぎて、力が入りすぎた。だから2着だったんだと思う。力を抜くための準備が、できていなかったんだー」
4月15日の到着から約半年間に及んだ現地滞在。凱旋門賞を目指すと決めた瞬間から、日本調教馬の悲願に向けて詳細な計画が練られてきた。挑戦が決まって以降の約半年間で、同師は日本とフランスを10回以上も往復して詳細を詰めていった。その思いに応えるように、アウェーで調教を積んだエルコンドルはフランス調教馬と見分けがつかないまでに馬体を変貌させる順応性を見せた。それでもトレーナーは‘'準備’’が足りなかったという。その真意とは…。歴史の、扉をこじ開けようとした勇敢な挑戦を、いま一度、振り返る。(つづく)
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