夏のあと 角田

角田高校の太田投手と菅野捕手ゎ、ともに3年生。
2人ゎ6年間ﾊﾞｯﾃﾘｰを組んで来た。

2人の夢ゎ甲子園。

ﾍﾞｽﾄ16の相手ゎ、あの仙台育英。
4回までﾘｰﾄﾞを守る。

いつも励まし合っていたﾊﾞｯﾃﾘｰ。
「大丈夫だ。一球一球集中して行こう」
「笑顔で話しかけてくれたので、気が楽になった」

どんな状況でも互いに信じ合って戦った。

2人の生命線の変化球が、仙台育英打線に狙われ始め、ついに5回に逆転を許す。

3点を追う9回、最後のﾊﾞｯﾀｰゎ太田投手。
ﾍｯﾄﾞｽﾗｲﾃﾞｨﾝｸﾞのﾗｽﾄｼｰﾝ。


「今日で終わりの気がしないんですよ…。また明日も練習行こうと思って、たぶん早起きしちゃうと思う…」
言葉に詰まって、太田投手の目から大粒の涙がこぼれた。


「精一杯やった。太田も含めてよく頑張った」
最後の最後まで、女房役の菅野捕手ゎ泣かなかった。

「6年間お疲れ様でした」
「ﾅｲｽﾋﾟｯﾁﾝｸﾞ!!」

2人が握手を交わした。
そして､照れ臭そうに笑った…


(おしまい)


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夏の全国高校野球宮城大会
4回戦〜仙台市民球場〜
仙台育英5-2角田