仙ちゃん退場…

８回表終了後にそれは起こった。

ＡＪがボールと見極め、見逃した外角低めの際どいコース。
これがストライクと判定され、見逃し三振を喫してしまったのだ。

仙ちゃんの怒りは、ついに押さえが効かなくなっていた。
｢則本の時は、あそこは尽くボールと判定された！｣
判定に対してというより、｢その日一定しないストライクゾーン｣に怒りが頂点に達したのだ。

暴言を吐いた仙ちゃんは退場となり、敵地ＱＶＣマリンフィールドはブーイングと拍手の嵐となった。

もちろん判定が覆るはずはなかった。
おらいの仙ちゃんも百も承知、二百も合点であった。

それでも指揮官として仙ちゃんは行くしかなかった。
たとえ後々に制裁金として罰金を支払う事になろうと、仙ちゃんは則本とＡＪを護った。

体を張ってルーキーと主砲を護り、かつチームを鼓舞した。


その後ろ姿に、選手は何かを感じてくれたのだろうか…