北の大地に、別れをつげた…

「（自身の）連勝が大事なのではなく、（チームの）優勝がかかっている最初のゲームを取れたのが良かった。」

ヒーローインタビューの田中将大は、厳しかった。
勝利後のいつもの風景が、札幌ドームでも繰り返されていた。

自身は、開幕からの連勝を２２、昨年から通算２６連勝の世界記録を更新している。

田中が勝って、インタビューを受ける。
今季の、あたりまえの光景である。

高校時代を過ごした北の大地は、田中本人も認める特別な地である。
「マー君」
「マー君、おめでとう」

北海道のファンは、ファイターズが敗れても田中将大には温かかった。
いつも田中には、声援と拍手を惜しまなかった。

今季札幌で投げる、最後の登板。

或いは、田中本人が知らないところで、一つの区切りがつけられていたのか…

ファンに手を振る田中の表情は、かつて見た事がないほど優しかった。

北の大地に、穏やかに、そっと別れをつげた…


（F3-7E/日−楽21回戦・札幌ドーム）