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2013/08/01 22:08
エクスペディション
馬は単走より併せ馬、併せ馬より集団走で、より速く、より遠く走れる生き物。
この本源的な馬の性質を利用しているのが競馬だ。
集団で競れば競るほど速さを増す性質は本来備わっている、つまり、<野生>だ。
ただレースによっては、競っては失速して遅くなってしまうのもあるから、集団でも抑えた方がいいんじゃないかと考えるわけだ。
馬はそんなことは考えないから、考えるのは人。
だから<ためる競馬>は教えなければ馬は覚えない。
知的に取得したそれは、いわばモダニズム。
今ではほとんどの馬に必修科目になってはいるが、覚えたところで、モダニズムでは上手く、あるいは速く走れないヤツも中にはいる。
エクスペディションもそんな一頭。
彼の末脚は切れない。伸びるのだ。カミソリではなく、たぶんヤリ。ヤリ投げのヤリのように伸びる。だからある程度の長さと速さを持った助走が絶対必要になる。
たぶん静止に近い状態からビュンと跳ねるような筋力が大きくないのだ。
そのかわり軽い。軽いから助走でスピードに乗ってしまえば失速が小さい。
こういう加速は実はマイラーに多い。本質はマイラーだと思う。
中距離はスローからの爆発的な加速が重要だから、彼には2000mは微妙に長いのかもしれない。
陣営もそれは考えたらしく、マイル重賞に挑戦した経歴がある。でも選んだレースが悪かった。京都マイルは中盤がスローになることが多いのだ。まして冬場の活性の低い時期にはなおさらで、スピード不足で不完全燃焼。よりによってマイネルラクリマに負け。もっとビュンビュンのマイル戦なら結果は全然違うと思う。
ただ夏の小倉2000mはヤリにとってはウッテツケなのだ。坂のてっぺんから自然に助走に入ってコーナーはスパイラル、直線は平坦。コース自体が<伸びろ、伸びろ、もっと伸びろ>と言っているようなレースなのだ。より速く・より遠くの野生が爆発できるほとんど唯一のレース。
エクスペディションはイケイケ型の中短距離馬。距離はマイル〜2000。
スローはダメなのだから、2000以上は厳しい。ぜひとも見たいのは毎日王冠。たぶん最適。スローなら自分から動く競馬を覚えるのもありだ。イケイケ型でこれをできるようになれば1級馬の仲間入り。
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