ファンタジーＳ

今年のファンタジーＳはレコード決着が濃厚。

馬場の状態から見ても、メンバーから見ても時計は相当出ると踏むのが当然。

12.5−11.0−11.4−11.1−11.2−11.4−11.7

これはアストンマーチャンのファンタジーＳ。現２歳レコード。

５Ｆ通過57.2のハイラップだが大きく失速するレースではない。まさに京都。

ここで求められる加速は早いうちにトップスピードに乗って長く持続するスタイルだ。

極論するとアクセルだけで加速できるような脚質。

東京で求められるのはトップギアから一旦セカンドギアに落としてアクセルを踏みこむような加速だろう。こういう加速スタイルは京都には合わない。面倒な脚質はスピードに置いて行かれてしまう。

近年のファンタジーＳの勝ち馬は意外にタフ馬場に縁が深い。

マルモセーラはヤヤ重の京都1400を５Ｆ57.5でぶっ飛ばし、12.1−12.3 と失速をこらえながら逃げ切っているし、アイムユアーズは函館の洋芝育ち。サウンドリアーナは新潟2歳Ｓを前々で踏ん張って、今ではすっかりダート界の大物。

究極のスピード勝負＆失速しにくいコースでモノを言うのは案外そうしたタフな経験なのかもしれない。当然ダート経験は軽く扱うことはできない。ダートのスピードスターをこんな馬場に放てばあまりの軽さに狂喜するだろう。




それにしてもアクセルとギアのたとえは我ながらうまい比喩だと思う。
思えばジャスタウェイはいつだってセカンドに落として思いっきりアクセルを踏んでいた。ド平坦の新潟でも高速の小回り戦でも。いつだって届かなかった。
そしてついに届いたのが天皇賞だった訳だ。届いてみればやはりジャスタのエンジンはデカイと思うのだ。京都では足回りの良さが問われ、府中ではエンジンのデカさがモノを言う。

距離の長短を問わず、さらにスローであれハイペースであれ府中の直線はシフトダウンを必要とするコースだ。そんな加速を露ほども知らないクリスマスが止まってしまうのはやはり当たり前なのだ。二歳馬にあまり多くを期待するのは酷だ。