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2021/05/07 11:45
中日スポーツの記事です
4月18日のばんえい競馬能検(帯広市)で、鈴木恵介騎手が馬の頭部をけったとして批判を浴びている。市ばんえい振興課は「いかなる理由であれ認められない」として、同騎手は戒告処分。騎乗自粛中だ。
ことはそう単純ではない。砂地に突っ込んだ馬の頭部を一刻も早く起こすための行動だった。鈴木騎手はソリを下りるまでに長手綱を散々引いている。砂地に鼻が突っ込むと、馬は非常に危険だ。口呼吸はできず、砂が肺に入るのを放置するのはむしろ虐待である。
動物への悪意なき行動が別の人には虐待に映るという現象は、深く複雑な問題をはらむ。家畜(産業動物)や、実験動物、漁で得る魚なども含め、人はさまざまな動物を「使って」生きている。彼らへの関わりのありようが虐待かどうかの線引きは時に難しい。
ばん馬がけられるのはファンには不快な光景だろう。だから不適切という見方も理解できる。一方で、例えば豪州の一部州は魚の生け作りを虐待だとして禁止している。捕鯨に対する価値観の文化間衝突も激しい。ルールは文化や時代で容易に変わる。境界領域では、しばしば直情論にひきずられ、本質を失う。だから産業動物らを巡る動物愛護を、愛玩動物と同じ視点で論じるのは厳に慎むべきだ。行き過ぎた直情論は、携わる職業人への差別の問題にも直結する。
この意味において、騒動を一報したJ―CASTニュースが、鈴木騎手のコメントを「イライラしてけった」としたのは、問題の持つ意味を大きくミスリードした。同騎手はこの種の発言を断じてしていない。
30日、鈴木騎手を電話で直撃した。騒動後、ほかに取材は一切受けていなかった。「ファンに不快な思いをさせた。本当に申し訳ない」。謝罪の言葉を重ねた同騎手も、言った覚えのない「イライラ〜」というコメントには困惑していた。
ばんえい振興課によればJ社からの電話取材は21日午後3時半。記者が「イライラしてけったのか」と問うたのに対し「馬を起き上がらせようとして対処したもの」と答えたが、記者が発言したものを、あたかも鈴木騎手が話したかのように原稿化されたという。
同課ではJ社に抗議したが、受け入れられなかったという。鈴木騎手、ばんえい振興課の認識と、J社記事の隔たりについてJ社は「連休明けに回答いたします」と返答したが、6日午後5時現在、回答は届いていない。
↑賛否両論あると思うけど、発言していない事を言ったことにしてしまうマスコミは問題あるし信頼できないと思うな…