過去のお話　その１３

つづき

デート当日
あんまり気合い入れてオシャレしていくのもなんかアレなんで、普段着で行こうか悩んだんですが、やっぱりちょっとかわいい服にしてみました。
実のところ緊張してあんまり寝られなかったのです。
そして、いったいどこに連れていくのかと思いきや、ゲームセンター、ファミレス、ボウリング、カラオケ。
しかも近所・・・
そして、18時に帰ることに・・・
なにそれ？
まぁ、それなりに楽しくはあったんですけどめちゃめちゃ手抜きじゃないですか？

ちょっとビックリしたのは、わたしの事を「みさと」って名前で呼んだんです。
初めて名前で呼ばれて、どうしていいのかわからなかったです。

帰りに、「今日は楽しめた？」って聞いてきたから
「普通」ってわざとそっけなくしました。

「あのさ、もう一回また日を改めて、デートしてくれる？」って言ってきました。
「今日、楽しかった。高校の頃、こうやって手をつないで普通のカップルみたいにできたら楽しかったんだろうね。
高校時代本当に申し訳なかった。
今日は、失った高校時代、俺のせいで失わせてしまった時間をすこしでも取り戻せればと思って、高校生のときにできそうだったことを選んだんだ。次はさ、大人になったバージョンで、みさとのこと楽しませるから、もう一回時間くれないか？」
って言ってきたんです。
手抜きデートプランはそういうことだったのか。
混乱して理解するのに時間かかりました。

「ふーん。考えとくよ」って冷たく返事しちゃいました。
あーあ、わたしって顔も可愛くないけど、性格も可愛くないなぁ。って自己嫌悪

それにしても、あのロクデナシな不良が、まともなこと言うようになってびっくりしました。