484件のひとこと日記があります。
2019/02/13 14:37
ついたのは府中の土 (2/10Aマーズ・トオヤリトセイト)
マイペースの逃げではない...
行って行って行ききれる雰囲気がどこかしない...
若き王者はいつもと同じ颯爽と飛んでいるようでいながら
どこか窮屈そうで、時折、彼らしくない気負った回転の襲歩を見せた..。
いつも通り疾走しつつ高くしてふる尾を
ジッと見つめて機会を待つ6頭の眼に追われながら勝負は続く
四角を回ったその先に降雪を運よくのがれた芝の直線が伸びている
後はまっすぐに駆け抜けるだけ
すぐに並ばれたがこれもいつものこと
軋るように競って競って いつものようにこそぎ落とせばいいだけのこと
も、ハナを奪われた彼がいた
も、ハナを取り返せない彼がいた
そして初めて突き離される彼がいた
5戦目にして、アドマイヤマーズ府中にて土がつく...。
2/10東京11R共同通信杯芝1800。逃げたにもかかわらず、終い後続を置いて行く負けて強しの競馬を見せるも、32秒台の上りを繰り出したディープ産駒に屈した。
ミルコJ談「初めての距離、初めての東京。色々考えていたが、ハイペースにしたら勝ててたかもしれない。今日は他の馬が強かったし、仕方ない、残念。」そう、揃って負けず嫌いの人馬の熱気に尚あてられながら、初めて知った悔しさの苦みを噛み締めつつ、僕らは本番へ向かう。
遡るのは少し前のこと...。
2/10東京6R芝1400。今年の俺の秘密兵器に(勝手に)位置付けた、まさに秘密兵器らしい和式の名前を持つドリジャ産駒トオヤリトセイトが2つ目の星を狙う。鞍上はデビュー勝ちのクリストフ・ルメールに戻しての平場戦。地味目なこの距離のスペシャリスト(今んとこ全戦芝1400)っぽいのもいちいち俺好みの渋さでたまんない。ゲートを怖がって出遅れ癖のあるスタートも、逆にどんな相手でもどんな状況でもいつも素直に伸びてくる末脚も..ネガポジゴチャッと、いちいちなんかたまんない。さあ行け!14頭立て1番人気。4枠5番。
スタート!リーディングジョッキーをしてもやはりここもドスンと出負け気味。ただ何となく脚はついたかなぁ..と思ったら、ズズッと流れに遅れて結局は後ろの方で落ち着いた。もう鞍上も腹括ったって感じだし、後ろから4頭目あたりの内で上がるタイミング待ちの道中。すぐに3,4コーナーを抜けたら長い直線がある東京コースのこと。勝負所は必ず...と思いながらの最終角。いつの間にやら内から大外へスルスルッと出しつつの用意ドン!一瞬前の馬にふさがれて脚が鈍ったかとドキッとするも、すぐに今度は内へ切り込んで再スパート。馬群の間からグーンと頭を出してくる。でも、まだまだ前にはひとかたまりの馬群が...残り200を切ってる状況...さすがに届かないかと思いきや、いやぁ、鞍上の追いに合わせてさらに伸びた伸びた。ゴール板、きっちり届いたところでゴール!
エースが取りこぼした今年の初白星は、うちの最後の最後に指名した子がしっかりと拾ってくれた。トオヤリトセイト...なんと3戦2勝。
ルメールJ談「スタートいまいちも、直線ではものすごくいい脚を使った。能力はあるしスタートさえ良くなればもっとやれると思う。今日の感じだとマイルまでは大丈夫そう。」
セイトとは征途...戦いに出る道のこと。まだまだずっと続いて行く道でありますように。
そしてマーズは火星..。闘争本能に燃え上がる星が、一つの敗北で下を向くようなことがあってはならない。空に輝いてこその星なのであり、彼そのものが星なのだから...。